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いまさら聞けない!家と暮らしのキーワード
2017年 9月19日

よく聞く「土間」って何?
玄関にもキッチンにも庭にもなる、土間の基礎知識とメリット・デメリット

いまさら聞けない!家と暮らしのキーワード

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荏田・ROOM・M(株式会社吉田裕一建築設計事務所)

土間と聞くと、どんな空間をイメージしますか?家の中でありながら靴で上がれる場所、ということはわかっていても、いろんな使いかたがされていて、逆に説明が難しそうです。

「土間」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?





玄関にもキッチンにも庭にもなる、土間の用途と特徴って?

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ナガレノイエ ―大きな屋根とテーブルの家(一級建築士事務所ikmo)

古い民家では玄関をくぐると、居室との間に土足で歩ける空間がつくられていました。この空間を土間といいます。現代の家に例えるならば、玄関に近い空間だと言えます。

土間は土足で歩いてもいい空間ですが、屋内の一部として壁や天井が設けられており、雨風をしのぐことができます。床は土がそのまま露出していたり、漆喰や珪藻土、石のタイルなどが敷き詰められたりすることが多かったそうです。最近ではこれらの素材のほかに、床に木材を張って土間にすることもあります。

土間はいったい何のために設けられていたのでしょうか?この空間は、雨天時の農具や漁具の手入れの場所として、時には炊事の場所や、来客と家主が話す空間として使われていました。ある時はガレージ、ある時はキッチン、ある時は客間として、フレキシブルな使い方をされていたのですね。

最近は、この土間の魅力が再認識され、土間を設けた家も多く建てられているそうです。土間にテーブルを置いてダイニングとして使われていたり、植物をたっぷりと置いて庭のように使われている土間もあります。

そのほか、土間は来客を迎えるスペースにしてもいいでしょうし、絵画を描かれる人や木工をつくる人は、アトリエの代わりとして使ってもいいかもしれません。





自由に使える一方で、冬場は底冷えが気になることも。
土間のメリット・デメリットって?

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どこか懐かしい気持ちにさせる、そよ風が吹き抜ける家。(加藤淳 一級建築士事務所)

家に土間をつくる場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか把握しておきたいところ。ここで土間の利点と注意点をご紹介したいと思います。

<土間のメリット>
・ガレージに、子どもの遊び場に、多目的スペースとして使える
用途があるようでないのが土間の特徴であり、メリットです。
休日には自転車やバイクを整備するガレージとして、雨天には子どもを遊ばせる場所として使えるほか、急に雨が降ってきたときには洗濯物を避難させるスペースとしてフレキシブルに使えます。

土間は土足で歩けるスペースですが、簡単に汚れを落とせます。汚しても水で洗えば汚れは取れますし、濡らしてもすぐに乾いてしまいます。汚れを気にすることなく、フローリングや畳の上ですることがはばかられる作業を進めることができるでしょう。

・収納の代わりにもなる
タイヤが地面に触れるベビーカー・自転車・バイク、オイルが漏れると困る灯油のタンクなど、家の居間に置くことがためらわれるものは意外と多いものです。土間の床は汚れてもよい素材でできているので、それらのものを保管しておく場所に適しているといえます。

そのほか、土間は金属製のものを保管しておく場所としても最適。自転車や脚立など、金属でできているものを屋外で保管しておく人は多いと思いますが、雨風にあたるうちに錆びてしまうことがあります。土間は屋内空間なので、道具を劣化させることなく保管しておくことができるでしょう。

<デメリット>
・居住スペースが少なくなる
土間は多目的スペースにもなりますが、スペースをとった分だけ、ほかの居住空間が狭くなってしまいます。特に、土間が設置されることが多い1階部分でリビングやダイニングのスペースを広く取りたい場合や、使える土地が限られている場合などは居住スペースを優先させたい場合もありそうです。

・冬場は家が冷えやすい
土間は土の上、もしくは基礎の上に設けるスペースです。そのため、冷気や湿気が家の中に入りやすくなり、底冷えしてしまいます。このデメリットは、土間に床暖房を入れたり、土間と居室の合間に2重ガラスの窓を設置したりすることで防ぐことができます。
そのほか、石油ストーブなどを置いて空間を温めてあげると底冷えが予防できるでしょう。





基本は屋外とつなげる形がベター。
どの場所を土間にするか?

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安芸津の家2(sunoma 一級建築士事務所)

土間は玄関から居室にかけて設置することが一般的ですが、そのほかにどのような場所に設置できるのでしょうか?

基本的に、土間は屋外と面した場所に設置するのが一般的です。もし土間を設けるなら、主に庭やテラスとつなげたり、玄関から土間を延長し居室と居室の間に設ける「通り土間」のような形で設置したりすることになるでしょう。

そのほか、1階の居住スペースのほとんどを大胆に土間にしてしまうという選択肢も考えられます。その際は、一部に靴を脱いで上がるスペースをつくれば問題なさそうです。

いずれにしても、多目的に使えるスペースですので、様々な用途で役立ってくれるはずです。

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カフェスタイルキッチン(glazzo 株式会社)

寝室やダイニングとは異なり、これと決まった用途がない土間は、どのようにでも使える可能性を秘めたスペースだと言えます。

少しスペースはとってしまいますが、自由に使えて開放感があり、土足で歩ける土間はとても有用な空間になるはず。もし敷地に余裕があれば導入を考えてみませんか?


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Text 鈴木雅矩

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