「増村江利子のDIY的八ヶ岳暮らし」は、東京から長野へ移住し、“小さく暮らす”をモットーに賃貸のトレーラーハウスでDIY的暮らしをしているフリーランスエディター増村江利子さんによる、暮らしづくりの記録です。
はじめまして。フリーランスエディターの増村江利子です。今回は、骨董品店で出会ったお気に入りのものから広がるDIYについてお話します。
骨董品との出会い
私が住んでいる賃貸のトレーラーハウスは、もともと大家さんによって増築された箇所などもあり、DIYなど好きにやっていい、という条件で借りた物件。壁紙を剥がし、ついでに天井も剥がしてしまい、おまけにドアも…といった具合に、好みではない箇所をどんどん削いでいったことから、個室のドアがない状態が続いていました。はずしちゃったので、ドアをいつかつくらなくちゃいけないと思っていたものの、なかなか手が回らず月日が経過していたのですが、骨董品店でこのドアノブに出会ったとたん、ドアをつくりたい!という気分に。
さて、ドアをつくりたいけど、ドアってどうやってつくるんだろう…。光が差し込むように、ガラスを入れてみたい…。
そこで、建築家の夫(スピリタス(元グランドライン)德永青樹)に相談してみたところ、こんな図面を書いてくれました。
古材でドアをつくる
ホームセンターに材料を買いに行かずに、今あるものや、譲ってもらった古い材のなかから選ぶのがマイルール。これは夫から譲り受けたルールと言い換えることもできるのですが、新しい新品の材料を見ても心が踊らないというか、格好よくならないというか。使いこまれて、時を経た古材には、ひとつひとつ魅力があって、見ていて飽きないんです。さて、早速ちょうどいい厚みの古材を持ってきて、上下左右、計4枚の板を並べ、その風合いのバランスを確認します。
4枚の板を組み合わせたら、次は真ん中に入れるガラスの発注です。サイズを測って、ガラス屋さんに電話1本。計測を間違えてしまうと大変なので、念のため、何度も測りました…。ドアのかたちができて、もうすぐ完成…と思いきや、ここからの作業が結構ありました。ドアノブパーツをつけるのはもちろん、ドアを家に取り付けるための丁番という金具にドリルで穴をあけてビスが打てるように加工して、さらにドアがかちゃっと閉まるように、ラッチ部分が入る隙き間を壁につくるために、ノミで削って…。材料探しから始まって、おおよそ3日かかって、ようやく完成です!
今回のDIYで感じたことは、骨董品で出会ったパーツから、こんなにも豊かな時間が広がるということ。人との出会いも必然ですが、ものとの出会いも必然なんですね。
DIY的暮らし、次回もお楽しみに。
国立音楽大学卒。Web制作、広告制作、編集を経て現在はフリーランスエディター。一児の母。主なテーマは、アート、建築、暮らし、まちづくり。長野県諏訪郡へ移住し、八ヶ岳の麓で、DIY的暮らしを始める。“小さく暮らす”をモットーに、賃貸トレーラーハウスにてミニマルライフを実践中。
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