“レトロ”という言葉から、いろいろ連想できますが、“昭和の風情”もそのひとつ。昔からある日本の風景に出合うと、どこか心が和むものです。心を穏やかにし、くつろいだ気分にさせてくれる“レトロ”な空間に憧れる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、畳や縁側、囲炉裏など…“昭和”をキーワードに、新築やリノベーションした事例をご紹介します。
伝統的な竿縁天井で懐かしい風景を再現
築30年の中古住宅をリノベーションしたこちらは、味わいのある既存の柱を再利用し、日本の伝統的な竿縁(さおぶち)天井を採用することで、昭和レトロの雰囲気を演出しています。築年数の古い住宅のリノベーションも、昭和レトロ風であれば、効果的に既存の建材を活かせそうです。また、床は杉無垢のフローリング、壁は自然素材の漆喰を使用するなど、デザインだけでなく、素材にも配慮。心にも体にもやさしい、ナチュラルな昭和の家です。
“縁側”でつくる昭和レトロ感
古い木造校舎のような雰囲気…そんなイメージから、外壁は杉の無垢材を使った下見板張りに。下見板張りとは、板を横に置き、お互いが少しずつ重なり合うように取り付けられた板のこと。室内にも木材をふんだんに使い、どこか懐かしい木造校舎を彷彿とさせます。そして、家と庭とをつなぐのはウッドデッキではなく、縁側。庭の景色を楽しむだけでなく、月見をしたり、将棋をさしたり、縁側があるだけで、暮らしのスタイルにも変化が出そうですね。
マンションでも畳を敷いて、昭和レトロに
こちらは、床座の生活を愉しむために、マンションの一室をリノベーション。ウォークインクローゼット、洗面所、キッチン以外はすべて畳の空間になっています。建具の一部には、昭和初期のアンティーク素材も使用。卓袱台で食事をとり、文机でパソコン作業をして、夜は布団を敷いて寝に就く…。マンションに暮らしながらも、昔ながらの生活スタイルを愉しみたい…そんな人におすすめのアイデアです。
囲炉裏ひとつで、心和む昭和の空間に
築35年の建物を古民家風にフルリノベーションしたこちらは、100年以上経過したケヤキや栗、杉の無垢材を贅沢に使用。古民家らしい重厚感があります。1階の囲炉裏は、暖をとったり、食事をしたり、団らんしたり…、自然と人が集まる場所に。昔から暖房や調理を兼ねた設備として、愛されていた囲炉裏には、今の時代も人の心をほっと和ませてくれる力があります。リビングに囲炉裏を設置する…。それだけで、人と人との距離が近くなる、昔ながらの温かみのある家になりそうです。
いかがでしたか?
昭和レトロ、古民家、木造校舎など、ひと口に“昭和”といっても、その表情はさまざま。それぞれに昭和らしい趣があり、心を和ませてくれます。
古い建材を再利用したり、昔ながらの建築法を取り入れたり…、家づくりを通して日本文化の良さを改めて発見できそうですね。
Text SuMiKa編集部
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