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暮らしを変えた家具
2016年 2月 1日

自分のための椅子をリビングに。大塚家具社長・大塚久美子さんに聞く、暮らしを変えた家具

暮らしを変えた家具 Vol.01大塚久美子(株式会社大塚家具 代表取締役社長)

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我が家はリビングにパーソナル・チェアを置いています。それは100年以上前のイギリスの館で女性が使っていた椅子を復刻したものです。トラディショナルな布張りで、フェミニンなシルエットが優雅な雰囲気。現代より小柄だった当時の英国女性の体格にフィットする低めの座面は背の高くない私にもぴったりです。安定感ある掛け心地で、立ち座りの動作もしやすく、キャスターのおかげでお掃除も楽。郵便物を整理する、ボタン付けなどちょっとしたお裁縫をする、小さなテーブルをおいて食事をすることもあります。奥行きが深いので両足を座面に載せる余裕があり、足がむくんだときも重宝します。家具選びが成功したかどうかを、その家具で過ごす時間の長さで測るとしたら、私のこの椅子は間違いなく大成功です。

時間に追われ慌ただしい生活を余儀なくされている私ですが、この椅子に座ると19世紀のスローライフの感覚を取り戻せる気がします。オンからオフに切り替えて、本来の自分に戻れる場所、あるいは、こうありたいという自分になれる場所をつくることが、慌ただしい日常の中で自分を見失わないようにするために必要で、それを可能にするのがインテリアだと思うのです。毎日口にする食べ物によって身体がつくられるように、住んでいる環境によって自分自身がつくられます。人生にも影響する住む環境をつくるという意味でインテリアはとても大事なのですが、このことに気づいていない方がまだ多いのではないでしょうか。

ちなみに、このチェアを買うとき、我が家のインテリアに合わせた色のカバーを別注しました。

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リビングのカラー・コーディネートだけでなく、お気に入りの椅子を守るためでもあります。この椅子にかなり派手にジュースをこぼしてしまったこともありますが、カバーのおかげで事なきを得ました。毎日使うものだからこそ、心から満足でき、幸せを感じさせてくれるいいものを使いたい。でもそのために日常の便利さや気楽さを失いたくもない。日常生活にひとつの妥協もしなくてすむちょっとした工夫、おすすめですよ。

(Text: 大塚久美子)

暮らしを変えた家具
Vol.01 大塚久美子(株式会社大塚家具 代表取締役社長)
Vol.02 柳澤大輔(面白法人カヤック 代表取締役CEO)
Vol.03 ウエスギセイタ(YADOKARI株式会社 代表取締役)

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