「増村江利子のDIY的八ヶ岳暮らし」は、東京から長野へ移住し、“小さく暮らす”をモットーに賃貸のトレーラーハウスでDIY的暮らしをしているフリーランスエディター増村江利子さんによる、暮らしづくりの記録です。
みなさんのご自宅は賃貸でしょうか。持ち家でしょうか。
私が暮らすトレーラーハウスは賃貸ですが、オーナーさんはもちろんのこと、地域の人からも「(家を)好きにいじっていいぞ」「庭の木が気に入らなかったらぜんぶ引っこ抜いちまえ」、なんて言われるくらい、なぜか地域ぐるみで、好き勝手にDIYで変わっていくことを期待されている“超”がつくほど好都合な物件。
もともと、トレーラーハウスの内装は白い壁紙が貼ってあったのですが、はがれかけていたり、うまくはれていない箇所が浮いていたり、そもそも壁紙があると、その下にあるビスの位置がわからず、好き勝手に改修できないため、壁紙をはがしまくって、そのままの状態が1年近く続いていました。
壁紙はがしてみて分かったことは、壁紙の下は、穴だらけということ。コンセントの位置を移動したのでしょうか。他にも、暖房器具や、インターホンなど、ものを撤去すれば穴が残る…ということで、壁の内側のケーブル類が見えていたり、下手をすると外に通じている穴もあったり。塞がないと、寒すぎる!ということで、これらの穴は、応急処置としてマスキングテープで補修していました。
さらに、トレーラーハウスの特徴的な外観である、この窓。中央の窓に対して左右の窓はわずかに傾きがあるのですが、この中央と左右の窓部分のつなぎ目が、というかつながれていなくて、隙き間がある状態でした。
なるほど、壁紙の内側ってこうなっているのか、という。壁紙をはがしたり、壁そのものを外してみたり。解体してみると、その“つくり”が手に取るようにわかって、とても面白いのです。まずは、天井や壁についている、壁紙以外のいらないと思われる木材をどんどんはがしました。
やり始めてみると、どこまではがしていいのか止めどもなくなって、壁を壊すことになってしまったのですが、ほどほどにしないといっこうに作業が進まない、ということで、また次の機会に壁の解体と向き合うことに。
さてさて、いよいよペンキを塗ろうと思って、塗料や刷、やローラーなど必要なものを用意して、いざ!…なのですが、ペンキを塗るまでが長かった。凹凸があったり、ましてや穴があったりするときれいに塗れないので、まずはマスキングテープで補修をする必要があったのですが、この作業だけで丸一日はかかりました。なかなか時間が取れず、娘が寝てから、夜な夜な少しずつ…。
塗料については、この色!という絶妙な色合いの塗料も売られているのですが、色をつくる“調色”という作業はとても楽しいのと、自在に色がつくれるので、一斗缶という、この容量があったら家じゅう塗れちゃうという量の白の塗料と、赤、青、黄、黒の4色を少量購入しました。
まずは白を、そのまま下地としてローラーで塗ります。下地ということもあって、5歳の娘が少々雑に塗っても、あとからちょっと整えればOK。
娘に、壁にペンキを塗るよと伝えてから、マスキングテープを貼るのに時間がかかって待たせてしまった分、娘は大興奮で、洋服や髪に塗料をつけたり、床にぽたぽた垂らしたり、マスカー(床を覆うためのテープつきのシート)を破ったり…。
いろいろありますが、それも楽しむこととして、下地を塗るのに3時間ほど、仕上げの塗料を塗るのに4時間ほど。今回は天井も塗ったので時間がかかりましたが、塗る作業はほぼ1日でできました。
壁を塗ったことの一番大きな変化は、やはり室内の印象ががらりと変わるということ。インテリアの模様替え…という言葉をよく聞きますが、模様替えをしたいなら、壁の色を変えてみることを強くおすすめします!そろそろ色を塗りたい…。そう思って早1年。やってみたら、思ったよりも簡単だったのでした。
賃貸だからDIYは難しい…という方、賃貸でもできることって、実は結構あるんです。例えば、現状復帰を前提として、ベニヤ板で板壁をはがせる強力両面テープで貼り付けて、色を塗ったり、古いふすま紙をはがさずに、タッカー(大きなホッチキスのようなもの)でベニヤ板をとめて、色を塗ったり。
それでも二の足を踏んでしまうようなら、お近くのホームセンターに行ってみることをおすすめしますよ。材料や道具を目にすると、やってみたくなる…はずです。
DIY的暮らし、次回もお楽しみに。
国立音楽大学卒。Web制作、広告制作、編集を経て現在はフリーランスエディター。一児の母。主なテーマは、アート、建築、暮らし、まちづくり。長野県諏訪郡へ移住し、八ヶ岳の麓で、DIY的暮らしを始める。“小さく暮らす”をモットーに、賃貸トレーラーハウスにてミニマルライフを実践中。