家づくりにおいて“子どもの空間”をどうつくるかは、いろいろと考えてしまうもの。独立した子ども部屋をつくるべきか、リビング学習にするべきか、子どもの好奇心を刺激するには何を置いたらいいのかなど、悩みは尽きません。
そこで今回は、子どもの教育に役立つ家づくりのアイデアをピックアップ。「これだ!」と思う空間が見つかるかもしれません。
リビング学習で、学習を習慣化
ここ数年、勉強に集中できると人気の「リビング学習」。リビングに専用の机を用意するのも方法ですが、こちらは、リビングと2階をつなぐ、階段のスキップフロアに学習スペースを設置した事例です。お母さんは家事をしながら、子どもの様子をみることができるのはもちろん、子どもは、自分の部屋のような十分な広さの空間を持つことができます。
ダイニング学習で、学習を習慣化
食事をするダイニングルームでの学習もリビング同様“集中力が養われる”“大人がすぐに対応できる”などのメリットがあるといわれています。ダイニング学習に適した子ども用の椅子を活用するのもおすすめ。
またダイニングルームの場合、食事の時間に勉強が中断されるという心配がありますが、あらかじめ、勉強時間を決めておくことで、規則正しい勉強の習慣を身につけることもできそうですね。
学びのきっかけを家の中にふんだんにつくる
こちらは、子どもたちが安全に遊べ、教育できる空間をコンセプトにした“走り回る家”。特徴的なのが、壁にランダムに抜かれた、カラフルなスリットです。見ているだけでもワクワクするこのスリットは、小物を置くスペースにでもありますが、子どもが隠れて覗いて遊ぶことができるアイテムとして活躍します。
2階はリビングと吹き抜けでつながる“スタディコーナー”。こちらはリビング・ダイニングに続く、コミュニティ&教育の場。子どもたちは家全体を通して、遊んで学ぶことができます。
ひとつの本棚に大人と子どもの本を同居させる
子どもと大人の本が一緒に並ぶ、大きな本棚をつくるのもひとつのアイデア。子ども専用の本棚を持つのではなく、本棚を共同にすることで、子どもが本により興味を持つことができるといわれています。たとえば写真のように小さなライブラリーを設け、一緒に読書の時間を作るのも◎。親が楽しそうに読んでいる姿をみせるのも効果的ですし、わからないところはすぐに聞けるという環境も子どもが本に親しみやすくなります。
また部屋のいたるところに本を置くのもおすすめ。本に囲まれた環境をつくることで、子どもの好奇心を刺激することができます。
家全体が子ども部屋!
元気いっぱいの子どもたちは、家の中でじっとなんてしていられません。こちらは、そんな「一日中、遊びたい!」という子どもの気持ちを満たしてくれる遊園地のような家です。階段を降りるときは“滑り台”、ロフトに上がるときは“縄はしご”、天井には“雲梯”、水遊びができる“土間玄関”と、アイデア次第で遊びかたは無限大。子どもたちの想像力や集中力を育んで、たくさん遊んだあとは、気持ちを切り替えて勉強に取り組んでくれそうです。
扉を外して、コミュニケーション不足を解消
子ども部屋を持つ心配のひとつに、子どもが部屋にこもってしまうことで起こる“親子のコミュニケーション不足”があります。とはいえ、子どもがひとりになれる子ども部屋をつくってあげたいという場合、思い切って窓を外してみるのはどうでしょう。いつでもオープンな空間なら、子どもがちゃんと宿題をしているか気になるけど、ドアをノックしづらいという問題もなくなりますね。
パソコンと勉強のスペースを分離
子ども部屋にパソコンを設置すると、勉強中などの調べ物などにも便利ですが、どうしても部屋にこもりがちに。パソコンは子ども部屋ではなく、家族の共有スペースに置くのも、親子のコミュニケーションを増やす良い方法です。たとえば、リビングにパソコンカウンターを設けて、調べ物はそこで行うようにすると、子ども部屋もリビングもバランス良く使って勉強できます。
子ども部屋の壁収納で勉強に集中
家具がぎっしり並びがちな子ども部屋は、カウンターデスクにすることで、背後にすっきりとした直線の動線ができ、整頓しやすくなります。棚を置く場合も動線がすっきりとするように直線に置くのがポイント。こちらはそんなカウンターデスクの後ろ側に大きな棚を設けた事例。教材や小物など、棚にわかりやすく片付けることで、勉強にも集中できそうです。また使いやすい棚は、自分で整理整頓する習慣も身につきますね。
文字が書けるボードを設置
お絵描きは子どものひらめきや想像力、また伝える力などを育むとてもよい方法だといわれています。紙の上だけでなく、子ども部屋に大きなボードを用意すると、子どもはいつでも自由に楽しむことができます。たとえば、何度でも書いて消せる黒板やホワイトボードは、子どもの表現力をぐいぐい伸ばしてあげられそうです。お絵描きだけでなく、宿題の分からないところをお母さんが説明してあげたり、“今日の問題”を用意してあげるなど、いろいろな使い道がありそうです。
秘密基地のようなそこに居るだけで楽しい子どもスペース
写真上は子ども専用のロフトベッド。窓やコンセントの位置など、細かい打ち合わせをして完成したオリジナルで、リビングに置かれています。写真中央&下は、家の中にハコ(小屋)を置いて、子どもそれぞれのベッドと部屋を確保した事例。ハコは上部で視界が抜けるよう設計されているほか、周囲は回遊できるため、個室でありながら、子どもたちはいつでも兄弟の様子を感じることができます。勉強したり、遊んだり…、隠れ家のような空間に子どもも大満足です。
庭に勉強小屋をつくる
子どもが勉強に集中できる部屋が必要な場合、家とは別に庭に勉強小屋をつくってみるのはいかがでしょう。テレビや食事など、家族との会話など、家の楽しい誘惑から少しだけ隔離された空間は、勉強に集中するにはよい方法かもしれません。
リビングに浮いているようなユニークな子ども部屋
リビングの上にひとつの小さな家が浮いているような、ユニークなデザインが印象的。自分だけの家のようなデザインに、子どもも大喜びしそうです。家族の気配をいつでも感じられるこの部屋なら、勉強や遊びに集中できるのはもちろん、プライバシーを保ちつつも、家族とのコミュニケーションをとることができますね。
家族みんなのコワーキングスペースをつくる
写真は、家の中に小屋をつくってしまう「家の中の小屋」シリーズの、家族のためのコワーキングスペース「co-ba HOME」。親が仕事をするかたわらで、子どもも学習を。別々のことをしていても、集中して何かに向かうことを共有することができそうです。
いかがでしたでしょうか。子ども部屋といってもそのカタチはさまざま。年齢だけでなく、自分の部屋がある方が向いている子、リビングで勉強するほうが集中できる子など、その子のタイプによっても部屋のあり方は違ってきそうです。自分たちのライフスタイルや教育方針に合った理想の子ども部屋をみつけてみてください。
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Text SuMiKa編集部
※ 2017年3月に追記