通りから家を外から見たとき、まっさきに目に飛び込んでくる塀。意外にも家の第一印象を決める重要なファクターです。
もちろん家を守るという役割もあり、防犯を重視したコンクリートのブロック塀や、風通しを大事にしたフェンスは一般的ですね。
が、家のデザインの一部としてもっと楽しめるはず。ブロック塀じゃ味気ない、古くなってきたのでリフォームをしてみたい、という方に向けて、思わず振り返り、近づいてまじまじと見てしまうような、素材も形もユニークな塀のアイデアをご紹介します。
廃材を活用した、積み上げて育つ塀
離れて見てみると、まるでアート作品のようなこちらの塀。ひとつひとつのパーツを構成する竹は、夏が過ぎて解体処分された海の家の廃材なのだとか。夏が終わるごとに毎年少しずつ竹の輪を継ぎ足し、住まい手が自らつくり上げることができる垣根です。
鉄線に砕石(さいせき)を詰めた印象的な塀
こちらは何でできているかわかりますか?正解は、蛇籠(じゃかご)という、河川工事の護岸などに使用される鉄線を用いてつくったかごに、砕石(さいせき)を詰めたもの。さらにその間に、鉄の錆を防ぐための網を組み合わせています。無機質な素材も組み合わせ方とデザイン次第で、モダンな雰囲気に。また塀の高さを加減することで、平屋でも十分に光が差し込みます。
一石二鳥!?実用性も兼ね備えた、薪を積んだ塀
木の暖かさを見せる住まいを、という施主の要望に応えて建てられた住宅。その塀も、薪でできています。しかもこの薪、ただ積まれているだけではなく、ストーブの燃料としても使われているのだとか。薪が少なくなると、施主が山へ調達に行き、補充します。絵になるだけではなく、実用性もある塀なのです。
すっきり和モダンな「土塀」
こちらの塀、石が積まれているのでしょうか?いえいえ、実は漆喰と黄土と砂を団子状にして積み重ねた、泥団子の壁なのです。壁の低い部分は築地塀、塀の庇(ひさし)となる部分は杉板です。どこかで見たようでどこにもない、すっきりと和モダンな印象です。
沖縄の「花ブロック」を利用した華やかな塀
家の前に佇む、白い可憐なブロック塀、こちらは沖縄生まれの建築資材「花ブロック」を使用したものです。沖縄の日差しの強さを和らげ、かつ風を通すために生まれたこの白いブロックは、建物の茶色とのコントラストで際立って、パッと目を惹きます。さらに隙間から向こうが少し透けてみえるブロックの美しい形状が、閉じられているけれど開かれている、外と家とのちょうどいい距離感をつくり出しています。
外壁デザインに合わせたスタイリッシュな塀
まるで塀も家の一部としてデザインされたかのような、個性的でスタイリッシュな塀。縦長の窓枠の印象に合わせて、塀がデザインされています。軒の深い木造屋根から受ける、落ち着いた“和”の雰囲気と、やや現代的なデザインの塀が見事にマッチしていますね。
いかがでしたでしょうか。
廃材の竹や砕石(さいせき)、鉄、泥団子、実用性のある薪まで。様々な素材が塀として活用されていましたね。これまでのイメージにとらわれず、使ってみたい素材や住まいのコンセプトことから発想することもできそう。我が家らしい暮らし演出する塀の形を、考えてみませんか?
Text SuMiKa編集部