家づくりで大切なのは、間取りやデザインだけではありません。無垢材や漆喰といった、家を建てる際につかう“素材”にも意識することで、より快適な空間をつくることができます。
自然素材を使った家の魅力は、なんといっても安心感と心地良さ!化学物質をつかわない従来の木造住宅は、木、石、土、紙といったまさに自然素材で家を建てていたため、現代病とも言われているアトピーや喘息が極端に少なかったのだとか。
そこで今回は、自然素材を使った住宅をピックアップしました。
素足で過ごしたくなる、無垢材のフローリング
モダンフレンチをコンセプトにしたこちらのお宅は、フローリングを無垢のパイン材に。木の質感が心地いい空間となっています。
床材は、人工の木材である「集成材」がよく使われますが、ここ数年人気を集めているのが「無垢材」。天然木から切り出してつくられた無垢材を使ったフローリングは、自然の調湿効果が。思わず素足で過ごしたくなる心地良さですね。
「集成材」って何? 意外と知らない、「集成材」と「無垢材」のメリット・デメリットとは
デザインの自由度が高い漆喰(しっくい)
壁に設けられた小さな窓が愛らしいこちらは、中古マンションのリノベーション。壁を漆喰にすることで、やさしい雰囲気を演出しています。
漆喰とは消石灰(しょうせっかい)を主成分とする塗り壁のこと。漆喰は吸臭性があり、さらに結露をなくす調湿効果もあるため、アレルギーの原因となるカビやダニを抑えるはたらきがあるといわれています。またパターンや色によって、和室、洋室と、さまざまなデザインが可能なのもポイントです。
調湿性能が高い珪藻土(けいそうど)
中庭とリビングの一体感が魅力的なこちらは、壁材に珪藻土を使用。珪藻とは藻類の一種である珪藻の殻の化石からなる堆積物のこと。
壁材を自然素材にする際、珪藻土か漆喰かで迷うところですが、調湿性を求めるのであれば珪藻土がベターだといわれています。ざらりとした質感の珪藻土、つるりとした漆喰、それぞれに特徴があるので、好みに合わせて選ぶのがおすすめです。
昔ながらの土壁でつくる家
「木組み・土壁・石場建て」という、日本の伝統工法にこだわった家。日本家屋の美しさに加え、耐久性に優れ、環境にも優しいという特長があります。
土壁は、夏はひんやり冷たく、冬はじんわり温か。さらに梅雨時の嫌な湿気を軽減してくれるともいわれています。昔ながらの土壁は、高温多湿な日本の気候にしっくり馴染む自然素材です。
無垢フローリングは天然素材のオイルで塗装
無垢フローリングの塗装は、ウレタン塗装または、自然素材のオイルやワックスを使った塗装が一般的です。こちらはドイツ生まれの自然塗装「オスモ」を使用したオイルフィニッシュ。
床の表面に膜を作るウレタン塗装に対して、オイルフィニッシュは木に染み込んでいくため、木の呼吸を妨げないといわれています。ただし比較的、水が染み込みやすいので、場所によって塗装を使い分けるのもひとつの方法です。
“炭+無垢+シラス壁”の自然素材づくしの家
こちらはシラス壁を使用した事例です。シラス壁とは、火山噴出物シラスを主原料とした壁材のこと。珪藻土と並んで人気のある自然素材のひとつで、調湿機能、消臭機能、耐久性に優れているといわれています。自然素材のやさしい風合いも特長。
さらにこちらは、無垢の床下に炭を敷き詰めることで、心地良さも実現。子どもものびのびと過ごせそうですね。
いかがでしたでしょうか? それぞれの特長を考慮しながら、自分たちの暮らしにあった素材を選んでみてください。
Text SuMiKa編集部