Takahiro様
はじめまして。東京早稲田を拠点として活動しています金谷と申します。
前お三方の専門家様のご意見通り、工夫次第でご検討されている2500万のご予算内で可能かと思います。
それに付け加えましてご参考になればと思います。
「実家の一部を解体し、新築を検討」ということは既存の実家は全て解体されないということですね。この場合、既存の実家部分の補修費用も多少見込む必要もありそうです。
また、この場合、「増築」というかたちになります。
既存の部分と一体となった増築する場合、計画によっては既存部分の補強など現在の基準への適合を求められる場合があります。それを避けるために切り離して計画する方法がありますが、その場合、「別棟増築にする」という計画の工夫が必要です。
これは建築基準法にある「1敷地に対し1建築物の原則」という法令がありまして、一つの敷地に2つの家を建てることができないという意味です。例えば既存の実家部分に両親が住まわれるような一つの家と、子世帯の家を新築した場合、これら2つの家が機能的に独立した家の場合、2つの建築物となってしまい基準法上成立しません。
一方で「別棟増築」という方法は、「母屋」と「はなれ」のように、2つの建物が「用途上不可分」の関係にあるように建築するという方法です。「用途上不可分」とは例えば、新築部分を「母屋」とし、既存の残した実家部分にはご両親の寝室だけがある「はなれ」とし、両親は、キッチンやお風呂は新築の方の家のものを使うというといった使い方になるような状態のことです。
残される既存の実家の部分をどのような使い方にされるかが計画上ポイントになってくるように思います。
差し出がましいご提案となってしまいますが、
実家の既存部分を残してしっかり改修し、一部増築するという手もあるのではないかと思ったりもします。
私のような者からすると昭和初期の家と聞いただけで宝物のように聞こえます。
昨今リノベーションがブームとなっていますが、戸建て住宅に多い中古住宅は戦後の木材が不足している時代の材の悪い場合が多く、残すべきか、建て替えるべきかで無いかと悩ましい場合が多いのですが、昭和初期ですと、良材を使っている可能性が高いです。しかも瓦屋根ということであればなかなかの造りであると推察できます。改修であっても新築並みの高断熱高気密にすることも可能です。ただ建て直したいと思われるくらいの状態であるということでしょうから、改修費用も新築に近いくらいの費用(2000万程度)がかかると思います。
だったらいっそうの事全て新築に、、という考えもありますが、坪単価55万の仕様となるとかなりのローコスト仕様を求められます。そこに満足がいくかどうか。
改修という選択肢はコストメリットがあるという意味だけでなく、
昭和初期からの時間の蓄積を逆にデザインに活かすという積極的な意味もあります。
実家の一部を残されるということでしたので、あえて建て直し以外の方法の可能性がないかコメントさせていただきました。
参考になりましたでしょうか?
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カナデラボ
金谷 聡史 (Satoshi Kanatani)
一級建築士/日本建築学会員/JSHIホームインスペクター
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