natsu さん
ご心配な気持ち、よく分かります。
ぼくも設計者として、同じような質問を受けたことがあり、そのたびに同じようにお答えしてきました。
写真を見る限り、これは“ひび割れ”というより“破損”に近い印象を受けました。
おそらく、加工中にささくれのように剥がれていた部分が、何かの拍子に取れてしまったのではないかと思います。
設計者さんのおっしゃる通り、構造的な影響は少ないのかもしれません。
ただし、その箇所が仕口(梁の接合部)であること、そしてここが仕上げとして露出する場所であるなら、美観の面でも“本来の姿”とは言えないと思います。
そのため、何らかの対処があっても良いのではないでしょうか。
梁の入れ替えは現実的ではありませんが、もし破損が内部まで及んでいるようなら、エポキシ樹脂などによる補強、そして表面の美観的な補修という選択肢は十分考えられます。
経験から感じるのは、こういった問題に対して、当事者同士だけで解決しようとすると、不信感や感情が先に立ってしまい、冷静に良い答えに辿り着けないことが少なくないということです。
インスペクターの力を借りるのも一つの方法ですが、natsuさんが信頼できる方がいれば、その方を交えた三者(natsuさん・設計者・信頼できる第三者)での話し合いが良いかもしれません。
インスペクターは専門家ではありますが、人間関係の機微までは考慮しないことが多く、あくまで事実や現状を客観的に伝える役割にとどまることが多いです。
家づくりは「建てて終わり」ではなく、その後の関係性も大切にしたいものです。
まずは現象としての“よくない部分”を認めた上で、どう改善していくかを一緒に考えることが、結果的に良い家づくりにつながると思います。
本来の目的は、関わる人たちみんなが「良い家を建てたい」と思っていることのはず。
その原点に立ち戻って、冷静に前向きに話し合ってみてください。