都内狭小三階建て、1300万以内で建てたい

標準的２階建ての木造住宅において都内の坪単価は75万円/坪(税･諸経費別)致します。また、狭小によるスケールメリットが無い事、３階建ては防火上の法規が厳しくなる事(仕様UP)、１階駐車場･事務所希望による特殊工法が予想されること、時節柄の建設コストの上昇等で、恐らくは100万円/坪を越えることが想定されます。(その他に、消費税･設計監理報酬がかかります。)

よって、1300万円で建てる事は難しいです。

80％･300％と言うことは(近隣)商業地域だと推測できますので、地価(坪単価)も住宅地と異なり高くなっています。ご希望なさる内容での建設は不適当であります。(土地の有効利用が出来ない。⇒商業地にある平屋のコンビニのようなもの)
また、規模･仕様･コストは密接にリンクしています。
どうしても商業地に住みたいという強い思い、それ(だけ)を優先し建築家としての様々な工夫を凝らした建坪４坪の『塔の家』という名住宅もございますが、
階段室の隙間で、躯体だけ(←仕上･断熱等のない)凸凹した床･壁の空間に住むことは、住宅を一般的に〇LDKに××をつけたいと考える方々にはお薦めできません。
より快適な住環境の構築を実現する為にも、住居地域での土地選択をなさった方が、予算的にも賢明かと思われます。

12坪×３階×100万円/坪×40％(木造軸組の躯体工事歩掛)≒1440万円＞1300万円

夢の実現を祈念致します。

Archi-Lab.CAN 建築加塩設計株式会社　加塩博之　拝
＝豊かな空間創造、幸福な時間＝

株式会社ヨシダデザインワークショップ吉田と申します。アドバイスさせていただきます。

私の場合、このような超ローコストのお話をいただく場合は、いったん依頼者様の細かいご要望（欲しい部屋やLDK、仕上げ材など）を白紙にしていただき、全く自由な環境で提案できるよう要望させていただいています。

理由はこの金額ではもはやご希望通りの間取りで普通の家を作ることができないからです。
ですが・・・、住宅メーカーと違って、この状況は私たち建築家にとっては新たな住環境を想像するチャレンジングな場でもあります。

極力間取りを無す。水回りは開放的にする。外壁は住宅ではあまり使わない安価な工業素材を提案する・・・・などなど、依頼者様が思いもよらない方法で物（コスト）を減らし、ギリギリまでそぎ落とした純粋な素型の空間（倉庫のような）を提案し、必要なもの（収納や間仕切り）は依頼者様が家具として購入するか、もしくはその時にあるお金で作り足すなど、時間をかけて完成させるくらいの覚悟が必要でしょう。

これもまた家づくりの醍醐味（楽しみ）なのかもしれません。そこに一般住宅では味わえない思いもよらない唯一無二の魅力や物語が生まれるかもしれません。
建築家は時として予想を超えて提案することができるのです。

以上参考になれば幸いです。