気になる木様
檜の浴槽の件は解決されましたか?
住宅を造ろうと考えると色々と情報が気になりだし、アレもコレもとなります。
『京都の長屋風で中庭のある家』という事ですが、現状の『土地の半分は結構な斜面になるので、3階建てで3階が玄関。1・2階は半地下の様な計画です。』というような敷地ではイメージされているような長屋風にはならないかもしれません。
京都の長屋風と考えれば、玄関から通り土間があり、中庭まで続いているのが多く、通り土間は昔は台所を兼用であったり、草履をはいたまま家人と話をしたりするコミュニケーションの場所でもありました。
現在では住宅としての機能にはあまり必要の無い物となっていますので、無くなっていますが、古民家を改装したカフェなどにその名残を見る事も出来ます。
イメージされているのはそこまでではなく、ある程度現代風にアレンジした長屋風だと思いますが、1階の居間や縁側と中庭の関係や長屋独特の続き間の雰囲気等は斜面地では難しいと考えます。
勿論、それなりに中庭を取り、和風のしつらえをすれば何となくそれっぽくは出来ると思いますが、イメージされている長屋の中庭にはならないと考えられているから質問をして来ているのだと思います。
書いてある通り『3階分をぶち抜く形で中庭』か1階や2階の屋根を屋上仕上げにしてその部分に庭園風のしつらえをする事が考えれます。
水はけ(防水も含め)もきっちりと施工をすればほとんど問題はありませんが、平地に建てるよりはリスクはあります。
ご自身で書かれている通り、家を建てようと考えている方のほとんどが同じように悩んでいます。
限りある予算のなかで、色々と夢を詰め込もうとすると無理が生じます。無理して詰め込むと結局はどれも中途半端になることが多いと思います。
もう一度、最初に戻り、自身が住宅に求めている物は何なのかを整理する事が必要だと思います。
『3階建てで3階が玄関。1・2階は半地下の様な計画』の家も視点を変えればとても良さそうな住宅に思います。中庭ではなく、現況がわかりませんので想像ですが、斜面地を活かした景色を見る事を考えたり、鴨川の床のようなバルコニーを作ったり、凝り固まった頭を少し柔らかくするだけで違う発想も見えてきます。
煮詰まった時は初心に戻りましょう。
林泰介