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家づくり相談

立ち上がりが低い床下環境改善について

築5年の3階建て住宅に住んでいる者です。
引き渡し直後から3階壁面から 水が滴るという不具合に悩まされており、改善してほしいと工務店と掛け合ったのですが話が 進まずそうしているうちにカビ臭で悩むようになりました。
結果家全体に多岐に渡る瑕疵が見つかり工務店が改修工事をすることになりました。
改修工事が始まると壁面20箇所以上から雨漏りがあることが判明し黒カビに包まれた家でした。
外壁内壁全てやり直す大規模修繕となり、壁面天井については通気口のない設計になっておりカビが生えたので通気口を設けようと検討したのですが、デザインを優先に考えた家で出口を設けることが出来ず通気口は断念しました。
現在は床下以外工事が終わった状態です。

床下工事に対する質問です。
基礎立ち上がりが10センチと低く、土間コンが地盤面より低い基礎です。
設計曰く、北側斜線とコストダウンによりこのようにしたそうです。
通気が一切なく基礎立ち上がりの上に土台が乗っており、床下の10センチにはグラスウールが敷かれていました。後日気密工法だと聞かされました。

床下については不具合や雨水の侵入がないか6ヶ所程度部分的に開けてチェックをすることになりました。
壁面からの雨水侵入が2箇所確認されたので、その箇所については大きめに開放し乾かしました。
その他チェックをした6箇所についてはカビが目視できず水分も確認されずそまま閉じると言われました。
穴を開けた床下の臭いを嗅ぐとカビのような悪臭が ひどく、床下全体確認するために解体復旧工事を要求したのですが工務店はやらないとのことで、結局私が170万円床下工事費を払うということで 先日床下解体工事が始まりました。

結果は グラスウールがびしょびしょに濡れており雨水の侵入が確認されました。
その他も全体的にグラスウールは濡れており剥がすと土間コンクリートにカビが生えている状態でした パーチ裏にも少しですがカビが目視できました。

今後カビを滅菌し防カビする業者を入れる予定があります。

その先なのですが グラスウールは使用不可とのことで 透湿抵抗値の高いウレタンフォームを吹き付ける提案をされました。
建築 Gメンのような方からのアドバイスです。
一番いいのはウレタンフォームを吹き付けた上の空間の空気を流すことだそうですが、10センチのみの空間ではそれが不可能とのことです。
また床下は内基礎により各部屋がブロックされて床下内で空気は全体的に流れないそうです。
よって床下全体にパンパンになるようウレタンフォームを吹き付け閉じるのがベストだと言われました。

その方法で進めようと思っていたのですが、カビを滅菌する業者の方からその方法ではパーチ裏にカビが生えるから、他の方法を検討した方が良いのではないかと言われてしまい悩んでいます。

今までずっとカビ臭で悩み具合も悪くなったので二度とこのような事が無いように改善して欲しいのですが、何が良いのか分からなくなってしまいました。
このような基礎の床下環境を健全に保つよいお知恵がある方、どうかアドバイスをお願いいたします。

専門家の回答

3件

2016年 9月11日
まず、地盤面より低いべた基礎という部分が問題です。一般的に床下のコンクリートは地盤より50~60ミリ高くするものです。天井を梁表しにするなど高くして、FLごと上げて設計されていればよかったですね。
ですが、いまさらコンクリートを打てば水分が抜けるまで1年位かかりますので
すぐに床を貼ってしまえばまたカビます。
現実的には、低い基礎のままで地盤や外部からの水や湿気を止めなければなりません。そのためには地盤の上の立ち上がりまでプールのように防水し、そのうえで直接ボード状の断熱材を敷きこみ床を貼るのがいいのではないでしょうか。防水防湿を兼ねた断熱材を丁寧に吹き付ければコストダウンにはなりますが、どこまで水の浸入を防げるのかでしょう。
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ユーザーの返答

2016年09月11日

玉川のプロフィール写真

ご回答ありがとうございました。
湿気を止めるという発想がなかったので大変参考になりました。工務店と相談してみます。
ありがとうございました。

2016年 9月11日
初めまして玉川様
アース・アーキテクツの鷲巣(ワシズ)といいます。

図面を見てみないので詳細なことは分かりませんが、水が床下に
侵入する原因を特定できれば解決すると思いますが、現実はそれ
が難しいと思います。
考えられるのは、打継部(ベースの土間と立ち上がり部のつなぎ目
からの水の侵入、又は基礎の職人さんが工事中に」雨に降られた時
の為に開けた水抜き穴」の止水をしてない為に起こる「大雨時の地
下からの湧水」による水の侵入等が考えられます。
 
現在1階の床を開けてあるのでしたら、後者の点検をして下さい。
後者でなければ打継部からの漏水による水の侵入が一番怪しいと
思います。
打継部の処理の方法は、打継部をコンクリートカッターで2㎝程の
三角の溝を作り、そこにシーラーを塗ってコーキングで埋めます。
それだけでもいいのですが、コーキングの劣化防止等を考えると、
基礎の立ち上がりの外側に「塗布防水」を施せばなおいいと思いま
す。
また配管等の漏水も考えられますので、その辺りもチェックして
みてください。
 
床下の通気に関してはいい方法が見つかりませんが、建物の隅の床
に給気口を設けて、内部の基礎に30φ位の穴を開けて空気が循環し
やすくして、最後に給気口の対角にあたる位置の床に給気用の換気
扇を取り付けて強制換気(タイマーによる)くらいが考えられます。
穴を開けるときには、くれぐれも基礎立ち上がりの主筋(立ち上がり
部の頂部に通っています)を切らないでください。

断熱は床組の根田間にスタイロフォームを取り付けられればいいの
ですが。

最後に土台の腐れ防止の為に、基礎の近くに物を置かない事と、でき
れば基礎の周りに小粒の砕石を敷き詰めれば、雨による地面からの水
はねを多少緩和できると思います。
矢印
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ユーザーの返答

2016年09月11日

玉川のプロフィール写真

ご回答ありがとうございます。
床が開いているので今日確認してきました。
水抜き穴は大丈夫で、打継部は酷くはありませんがクラックが横にすっと入っていました。こんな物かと思っていましたが手立てを講じるように工務店に話したいと思います。
外側の基礎の立ち上がりは掘って防水の何かを塗布し砂利を敷く予定です。
参考になりました、ありがとうございました。

2016年 9月11日
玉川さま
この度は大変な思いをされましたね、心中お察しいたします。
私も同様の事案を調査したり、地階・半地階などの地盤面下に鉄筋コンクリートの躯体を設計する事も多く、その経験に基づきお応えさせていただきます。
ただ、文面だけでは詳細が掴みづらい部分もありますので、あくまでご参考程度にして頂ければ幸いです。
まず第一に重要なのは水の侵入経路の把握です。
壁面から基礎スラブへ水が入ったのは明らかな様ですが、もう一つの懸念箇所であるRC(鉄筋コンクリート)基礎から水の侵入事象は明らかでしょうか?
基礎スラブとグラスウールの湿潤は壁面からの水であれば、基礎には大きな問題が無いかもしれません。
立ち上がりが10センチ、基礎スラブ面が地盤面下とのことですが、その数字から想像するに地盤面は基礎スラブから10センチ以上土が被っている状態では無いということですね。(基礎の上に土台という事でしたので、木造と解釈してですが、それにしても地盤面と木製の土台が近接し過ぎですね。今回の事象とは直接関係しませんが。それとも鉄骨造でしょうか?)
木造住宅のべた基礎であれば、スラブと立ち上がり部を二回に分けてコンクリート打設する事が多いのですが、立ち上がり10センチであれば一体で打設する事も容易な為、2回に分ける事による打ち継ぎ部も無い可能性があります。
何が言いたいのかと言いますと、その打ち継ぎ部が怪しいという事になるからです。
地階・半地階ともなれば止水剤や外部での防水処理といった施工をしますが、10センチではそんな施工もしないでしょう。
鉄骨造であれば立ち上がりが先にあり、土間コンクリートが後という事もあるかもしれません。
その場合は打ち継ぎ部が垂直になりますが、立ち上がりは基礎地中梁まで連続しますので、建物周囲の高低差に問題がなければ、水の侵入は考え難いですね。
もう一点、基礎スラブ(土間コンクリート)の湿潤の原因として結論の可能性という事もありますが、グラスウールを敷き詰めた密閉状態では発生し難い様にも思います。
高温多湿な空気が床下に侵入し、コンクリート面で冷やされた場合にはその様な事もありますので。
対処法としましては、まだ壁からの雨水侵入の心配があるのであれば、床施工には接着剤を使わず、まためくりやすい仕様にしておくと良いかもしれません。
打ち継ぎ部等からの水侵入が確認できれば、前の方々がお答えのように防水するのも良いと思います。
基礎外周部が掘削できるのであれば、基礎スラブ面下10センチ程を掘り下げ、打ち継ぎ部があれば防水処理を施したり、そのまま外周部の地盤面を下げたり、または基礎スラブ面以下で排水溝を作る事も外周部からの水侵入には有効かもしれません。
壁面からの雨水侵入が修補されたとのことですが、二度と漏れないと言えるかどうか?
修繕に当たって何をどう直したのか?
今後、ベランダ防水取り合いやコーキングの劣化や外壁クラック等での雨水侵入が発生する恐れは完全に無くなったのか?
以上の観点から対策を決められると良いかと思います。
今後の床下地材等へのカビの発生対策につきましては、いくら防水をしても高温多湿な空気が冷やされる面があれば結論発生の可能性はありますので、基礎地盤側からの防水と他からの多湿空気流入防止が整った場合は、床下地材裏面にも防水シートを施すことで問題無い様にも思います。大引・根太等(床合板より下の部材)は非木製または杉の赤味等の湿潤に強い下地材だと尚良いです。
あと、木造であればシロアリの害を受けやすい土台の地盤面への近接等も心配されますので、その観点から見るのも大切です。
とりあえず思いついた点を述べさせて頂きました。
それでは修繕が成功して健康にお暮らしになられる事を願っております。
矢印
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