Akihito様
茨城県にて設計をしております海老原と申します。
ご質問の件ですが、
①床暖房
メリット :エアコンに比べ、体感上の暖かさが確保可能
(温風を送るエアコンだと、暖められた空気が上昇してしまい、
足元が暖まり難い)
:室内に設備機器は見えないのですっきり
デメリット:初期費用が掛かる
:電気式・ガス式とも床下にパネル等を敷設するため、床の張替などが
簡単にはできなくなる
:壁際ぎりぎりは暖房しづらい
②太陽光発電
メリット :月々の電気代が下がる(余剰電力は売電可能)
:発電量が視認できるとエコな気分になる
:停電時でもある程度の機能維持可能(曇りや雨では不可)
デメリット:初期費用が掛かる
:施工方法や施工状況により雨漏りのトラブル有り
:売電単価が年々安価になっている(4月からまた値下げ)
:メンテや設備更新が不明確
以上のようなところでしょうか。
床暖房については、個人的にはオススメします。ただ、床暖房がいい、というわけではなく、足元から暖められるシステムがいい、と思います。
電気式の床暖房であれば、ヒートポンプ方式のものを採用すれば電気代はそこまでかからないと思いますよ。(ヒーター式だと電気代はすごいことになると思います)
オール電化の場合は、建物本体のエコキュートで床暖兼用のものがありますが、エコキュートは給湯専用とし、床暖房は専用の室外機(ヒートポンプ)を用いたシステムとすべきです。床暖兼用とした場合、日中湯切れを起こすと電気代の高い時間帯にお湯を沸かすはめになりますので。
太陽光についても個人的な見解ですが、電気代を浮かせようと思って設置するのはやめた方がいいと思っています。あくまでも環境への配慮や非常時対策として自宅の電気を賄おうという心持ちで設置するべきです。(2020年からは太陽光発電設置が増加すると思いますが)
太陽光発電設置費用分、10年で元が取れるのであれば上々だと思いますが、「パワーコンディショナー」「売電メーター」については10年程度で交換になります。
(両方交換で10~40万程度はかかると思います。)
また、太陽光発電パネル自体も完全なメンテナンスフリーではありません。30年で交換になる可能性もあります。
電気代の元がゆくゆくは取れる、という考えで設置するならば、30年先まで見込んで検討すべきですし、(売電単価は今以上に上がりません)補助金の活用をうまく取り入れるべきですね。自治体により補助の有無や内容も違いますので注意が必要です。
太陽光発電だけでなく、家自体をZEHという基準を満たせば、別途補助もあります。
(ZEHビルダー認定会社の設計や施工が必須ですが)
また、工事業者の施工精度等により雨漏りが発生している例も少なくはありません。信頼できる業者を選定したり、屋根に穴をあけない設置方式のものを選定したり、といった対策は必要と思います。
つらつら書きましたが、太陽光発電自体が悪いわけではなく、採用する理由や採算の想定、施工後のメンテナンス体制などの整理が必要ですね。
以上、長々とすみません。ご参考になれば幸いです。
◆海老原建築一級建築士事務所
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