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新築戸建て断熱・気密

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含水率が高い新築木造住宅について

2つ伺いたいことがあります。
1つ目は私の家の断熱材の施工時期に問題があったかどうか伺いたいです。木造の2×4の新築中の家で基礎の工事の次に床下の断熱材を貼り、床材を貼って、上棟まで施工しました。そのため、床は何度も雨にさらされ、濡れた床材から断熱材に雨が染み込みました。乾燥ができたかどうかは、数値的にはわからないが断熱材は縮んでいないため、ハウスメーカーは問題ないと言っています。しかし、通常、断熱材は上棟後に施工するものという記事を見つけました。断熱性能が下がっているのではないかと懸念しています。
2つ目は、1つ目の質問と関連し、木材が水濡れ後、放置された期間が2ヶ月あったが、住宅が構造的に問題なく居住できるかどうかについてです。水濡れを不安に思い、床と床下の含水率を第三者機関に測っていただきました。結果として床も全て20%以上でした。その場合、カビや木材が腐るといったことが想定されるため、ハウスメーカーに抗議をしました。その後、ハウスメーカーは、床上、床下とヒーターも用いて乾燥をして下さいました。現時点では含水率が20%以下に下がっているから大丈夫という話をしてきます。しかし、インスペクターに確認したところ、床下の木材は、断熱材の間などが内側にあり乾燥が及ばないため、その部分の含水率は心配であるということと、今、含水率が下がっていたとしても、2ヶ月以上高い含水率が続いていた状況は引き渡し後すぐにカビが生える心配があり、構造体が腐朽するリスクが高いという見解をいただきました。
そのため、床材や断熱材は外して交換をした方がいいとインスペクターからは見解をいただいているにもかかわらず、ハウスメーカーは、乾燥させたし、他の現場も同様だから問題ないと主張します。専門家の方のご意見を頂戴したいのでよろしくお願いいたします。

専門家の回答

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星マーク
相談者が役に立った
2025年12月10日
na様

初めまして。
災難でしたね。

当方は、一級建築士とインスペクター両方消磁しております。
その上で、お願いされているインスペクターさんのいうことが正しいと思います。

断熱材は一度濡れると、性能はガクッと落ちます。
なので、断熱材を濡らすことは絶対避けます。屋根を施行する前に床材を敷く意味はわかりません。

含水率の話が断熱材か木材かよくわかりませんが、
断熱材に含水率はあまり使わないように思います。
そもそも断熱材が濡れることは想定されていません。

木材だとして、柱梁が雨ざらしなのはあまりよくないですが、ままあることです。
含水率を下げるためには、木材を数年乾かします。ただ、乾かし方は雨ざらしだったりします。
ヒーターというか、早く乾かすためには数ヶ月燻して乾かしますので、ヒーターでちょろっと乾かした程度ではどうすることもありません。
含水率が高いと、木材が乾いていく時に反りますので、含水率を下げてから製材します。
製材されたものを使っているので、含水率の数値はたまたまの可能性が高いのでは?と思います。



ご質問の、住宅が構造的に問題なく居住できるかどうかについて、ですが、
構造はあまり関係はありません、
居住できるかですが 、床断熱がない家はありますので、居住はできると思います。
カビは発生しやすいと思います。湿気が多くなるので、虫も発生しやすそうです。
シロアリ、ゴキブリ、その他、湿気が大好きです。
床下の換気がどうなっているかを見たいところかではありますが、一般論で、
構造体の腐朽のリスクは、湿気が多いため、通常よりは高いと思います。
ただ、換気口や、パッキンがしっかりして入れば、意外とそこまで影響はないかもしれません。


どちらかと言えば、
契約時より断熱材の性能が落ちていること、
個人的には、虫の発生が気になりますね。

ご参考になれば。
矢印
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星マーク
相談者が役に立った
2025年12月10日
こんにちは、大阪の設計事務所です。
詳細が不明ですが、いくつか気になる点についてコメントします。

01:施工の順番について
質問に書かれているように床下にあたる部分に断熱材を貼り、床材(ここではフローリング仕上げ材ではなく合板)を貼り、上棟する、という施工順は2×4工法では通常の流れです。床→壁→屋根の面材を立ち上げていくのが2×4です。在来工法は床は土台を設置してから、→柱・梁→屋根架構を一日で行うのが上棟です。よって上棟したらすぐ屋根にブルーシートを掛けると屋根下には雨が落ちにくい事になります。(壁は柱のみなので、足場やシートが無いと横から雨が入りやすいです)

今回は床を作ってから壁を立ち上げて、屋根を載せるまでに雨が大量に降った、又は何度も降った(そんなに日にちは空いてた?)ということですね。
 雨除け対応を行わなかった事は施工側の落ち度ではあります。

断熱材を上棟後に施工するのは一般的には在来工法なので、今回の手順としては間違えてないでしょう。

02:断熱材の水濡れについて
濡れた床材から断熱材に雨が染み込んだ、ということですが、断熱材に直接水分が掛かった、ということではないのですね? 染み込んだ事象や、断熱材と床材、大引きの接地面が濡れたまま、乾燥してしない、ということを、ハウスメーカーにも提示しないと、中々交換には応じてもらいにくいと思います。写真や動画などあればいいですね。

断熱性能が水濡れでどのぐらい下がってしまうのか?は、仕様書の断熱材を調べて断熱材メーカーに聞いてみてはどうでしょうか?

03:カビが生えるかどうか
水濡れ後、放置期間が2ヶ月あった、ということですが、2ヶ月間は屋根や壁は出来ていたんですね?放置というのは、何も対策無しという意味ですね?
出来ればその時期に床面にめがけて扇風機を当てて乾かすとか、床下にも扇風機や換気扇を入れて換気を行うと水分の抜けも早いと思います。
で、ヒーターで乾燥して頂き、含水率も20%以下に下がったのであれば、まずは第一段階はクリア、ですね。
 (含水率計測は具体的にはどこか?で見解は変わりますが)

その床材にはもうフローリング材を貼ったり室内仕上げを施していっていますね?
そうなってくると室内側には床材からの水分は蒸発するルートがほぼ無い為、床下からの蒸発を促すしかありません。断熱材を一時的にでも外して乾燥させることが出来れば安心ですが、多分取外しは難しいでしょう。そうなると床材の裏側(床下側)からの水分の抜け道は無い為、水分を保持したままであればカビや腐朽に繋がるリスクは考えられるでしょう。 ただその理論からはカビ等は床材の裏面で断熱材との接地面、になります。断熱材を外さない限り乾燥しにくい環境ではあります。ただ、本当にそこにどの位の水分が残ったままなのか?カビが出来てしまうほどなのか?は分かりません。
(ご心配されるのはごもっともではありますが)

04:出来る事
2×4は床面材・壁面・屋根面の6面体での構造です。床材が本当に腐朽して構造的に機能しなくなればそれは建物として弱い事に繋がります。ハウスメーカーが過去事例から「大丈夫」というのは、本当に構造的にマズイ(地震で倒れやすいとか)なら対応してくれるのではないか、と想像します。

また、構造体ゆえ交換は簡単ではありません。すでに構造として出来上がっているものの一部を入れ替えることは難しいでしょう。
在来工法では床材は構造としてカウントしないので、一般的にそのインスペクターさんが交換を、というのも分かりますが、今回は難しいのではないでしょうか?
壁面との接合部分を残して、広い床面部分だけを切り取って交換するのは逆に構造的に弱くなりそう、と想像します。

出来る事としては、床下を常に乾燥させたり通風換気が出来るように、通常の仕様よりも換気できるように、強制換気のための送風機など設置してもらう
又はコンセントなど電源を床下まで設置してもらい、扇風機など置けるようにする。
(湿気が外気に逃げられる開口は基礎パッキンから位しかないとは思いますが)

床下用の乾燥材を敷き込む。(定期的に交換することが大事)

床下点検口をあちこちに開けてもらい、定期的に床下を目視や潜ることが出来るようにしておく。

これぐらいしか思いつきません。
お引渡しまでに交渉する。今までの交渉内容は記録してますね?口頭や電話だけだと記録として残りません。今からでも遡って日時やりとり内容をメモしておきましょう。
ご心配されるのはもっともです。一方で客観的に見ることで冷静になり、安心にも繋がります。

ご健闘をお祈りします。
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ユーザーの返答

2025年12月14日

naのプロフィール写真

丁寧にご説明をいただきありがとうございました。
よく分かりましたので、合板の交換は現実的ではないのが理解できました。
構造で交換できないものなのに、なぜ雨濡れしないよう対策しないのか理解に苦しみます。

ヒーターで乾かして、その後合板は削ったので(指摘したら高低差がでてと現場監督がおっしゃってました)おそらく乾燥により反った状態になり表面をならしたのだと思います。
それが構造に与える影響について分かりませんが、薄くなっていることにより気分は良くないです。

通風については、電源は一応入れ込むように現場監督さんには伝えましたが漏電のリスクもあるのかなと思い、迷います。

ハウスメーカーからは、必要な対策はうったとお察しの通り、断熱材についてはスルーする回答が
きました。できる限り粘りますが。
このような客観的な見解をいただき非常に助かりました。
ありがとうございます。

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