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大阪市内で8.95坪の土地

建蔽率が80%・容積率300%の地域。土地の間口3.98m・前面道路が幅員3.21mの生活道路(建築基準法上の道路でない)なんですが建築可能でしょうか。ちなみに現在道路向かいに同じ規模の土地上建物が建っているので大丈夫だとは思うのですが。可能だとしたら、手続きや資金面等で注意しなければいけない点あれば教えて下さい。そういう狭小地に建築された経験のある方からのご意見伺いたいです。よろしくお願い致します。

このアドバイスは、旧HOUSECOの家づくり相談のアーカイブを移行したものであり、現行SuMiKaが提供する機能と齟齬がある場合があります。

専門家の回答

4件

2011年 2月25日
takuさま

はじめまして
京都で活動しておりますwa+の山田と申します
なかなかの狭小地ですね。私も現在、狭小地の工事をやっております。

少しでもお悩みを解消できればと思い、
本文で分かる範囲ではありますが、お答えさせて頂きます。

まず、建築をするのに当たって
一番の悩みどころは前面道路が、「基準法上の道路ではない。」ということです。これをクリアにしなければいけません。

基本的に、建物を建てる事のできる土地というのは「建築基準法上の道路に間口が2m以上接している事」が条件です。
これを接道義務と言いまして、面していない土地は、通常建築確認が下りず、建物が建てることができないことになっております。

そうなると、建てるには厳しい状態ですが、
お向かいの家も同じ道路条件であるとすると、前の生活道路が「位置指定道路」としての認定を受けている可能性があります。
この場合は、建築ができます。
もしくは、「43条1項ただし書き道路」といって
建築基準法上の道路ではなくて、自治体が所有する通路や協定通路、水路敷き等に見られる道路がありまして、通常、建てることができないのですが、救済措置として、特定行政庁が建築審査会の同意を得て建築を許可する場合には、建物を建築することが可能似なるケースもあります。この場合は、その手続きが必要ですね。
道路については、
計画地などの情報がもう少しわからなければ、これ以上お答えするのが難しいですね。

次に狭小地についてです。
まずは、大きな工事用車両が入れないことが悩ましい所です。
材料を手運びすることにもなりますし、小型重機しか使えないとなると時間がかかります。そして、敷地が狭いことにより工事作業をいっぺんに大人数をかけれないこと(職人同士がお互いに邪魔してしまう)など、工事日程の調整が必要となり、人件費の増加や工期が長くなる傾向があります。

設計面では、当然、採光や換気がとりにくくなります。基準法を普通に満たすのが難しい状態があります。
また、間取りが横に広がることが出来ないので、限られたスペース内で縦方向に空間を有効活用していく必要がありますね。

そういった
建物の面積は小さいながらも、設計や工事の両方で
手間や時間がかかりやすいため、平均的な建築費よりも少し割高になりやすい傾向がありますね。

もしよろしければMAILで一度ご相談くださいませ。
設計依頼までに至らずとも、
どのような家が建てれるか?
法規のことや費用面のこと、どのくらいで完成するか等もあわせて、お答え致します。

wa+一級建築士事務所 山田和弘
矢印
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2011年 2月25日
Takuさん

建築的な問題としましてはほとんど山田さんが回答されていると思います。

接道義務につきましては「道路に間口が2m以上接している」という事ですが、少し補足させていただきます。間口が3.98mありますので、その面はクリアーしていますが、建築基準法上の道路という定義は最低4m以上となっています。4m以下の道路は『建築基準法上』の道路ではないのでその道路に接する土地に建物は建てれません。
それらの解決策として「位置指定道路」という道路となっている場合があります。
これは「4m以上の道路とみなす」という考え方で一般に「みなし道路」とも呼ばれています。
その場合は例えば3.21mの幅の道路であれば4mに足りない分0.79mを道路の両側の敷地で確保すると言う事です。
Takuさんの敷地の道路側の0.395m分を道路として無償提供すると言う事です。
一般的には道路の両側の敷地ですが、稀に片側の敷地からと言う事もあり、その場合は0.79m分となります。
これらは市役所の道路課に行けば前面道路が「位置指定道路」になっているかどうか解かります。
しかし、販売する側の不動産業者もこれらは価格に反映される事なのでわかっているとおもいます。
「位置指定道路」でない場合はその土地に建築は出来ません。「最建築不可物件」となっています。
この場合は再建築が出来ませんがリフォームは可能です。
友人は再建築不可物件を購入し自身でリフォームをしました。また、大阪の路地に面しているような狭小敷地が並ぶ所では最近リフォームしてカフェやショップをする方も増えています。私の事務所近所の空堀にも多くのこのような建築物が目立ちます。

さて、上記がクリアーされ「位置指定道路」として新築が可能な場合です。
建築的なこと以前に理解しておかなければならない事があります。
まず基本的に10坪以下の敷地は銀行の担保としての価値が低いと言う事です。
僕の経験からのお話です。
多くの人は土地と建物を合わせて費用を銀行から融資してもらいます。狭小の場合はそれが少し難しいかも知れません。
一般的な価値というのは普通の人がほしいと思うかどうか利用価値が高いほど高くなります。狭小土地が安いのはそういう理由があり、それらに対して銀行は融資をしてくれないこともあります。
勿論それは担保価値がないと判断された場合であり、その他付加価値がある場合や十分な頭金が用意できたり、銀行への預金がある場合はそうではありません。
経験則ですが、最低限、土地を購入できるくらいの蓄えが必要で、購入した土地を担保に新築の融資を頼むと言う事でないと難しいと思います。
敷地面積が書いてませんので、あくまでも想像での話ですが、そのような例で融資が受けれなくなった事が以前ありました。
特に最近は不況の折もあり銀行のチェックも厳しくなっているようです。

それらをクリアーした上で後は狭小住宅をどれだけ楽しめるか、面白がれるかが決め手だと思います。どうしてもまとまった広い部屋がとり難かったり、採光に問題があったりします。それらの解案を建築家は提案しますがそれについて面白がって一緒に乗って設計を楽しむ心があれば大丈夫だと思います。

林泰介
矢印
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2011年 2月25日
下の訂正です。
文字変換ミス
誤:「最建築不可物件」
正:「再建築不可物件」

林泰介
矢印
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2011年 2月26日
はじめまして、奈良に住むHirano S-A Laboratoryの平野です。
計画は非常に面白いですね。
この様な計画を、建築界では狭小住宅と言いますが、
狭小住宅ほど建築家と住まい手が密接に打合せや寸法感覚を話し合いながら進めなければならない住まいは無いと思います。
ですから、本当に「こころ」が通じる建築家のパートナーと出会う事が最大のミッションでしょう。
本当に信じられるパートナーと、一緒に「あーでもない、コーでも無いといいながら、楽しんで設計できた住まいは本当に良い住まいが出来ると思います。
ボクも、こういう狭小住宅の設計を出来る日が来ると幸いです。
さて、本題ですが、敷地に関する事は、他の建築家の先生方が記載されている通りだと思います。
要するに、建築可能かどうかは、プロでも役所に行って、条件を調べないとはっきりとはお答えできないのです。
お向かいが建築されているのであれば、建築可能であると思いますが、法令などをきっちりと調べないといけないので、気をつけて下さい。
費用面も、設計や施工にかかる時間が多めにかかるので、割高に感じられるかの知れません。(坪単価などで比較すると、かなり高く感じる事でしょう。)
住まいを建てる事は、本当に生涯に何回もある事ではないので、楽しんで下さい。
矢印
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