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家づくり相談

支持層が深く液状化リスクが高い場合の地盤改良工法・建物構造(3階建て)について

以下の敷地に、建築面積約25坪、3階建て、延べ床面積約75坪の賃貸併用住宅への
建て替えを検討しております。
 <敷地について>
  場所   :都内城東地区(駅近)
  敷地面積 :約35坪(ほぼ正方形)
  建蔽率  :70
  容積率  :300
  前面道路幅:6m

スクリューウェイト貫入試験で地盤調査を実施したところ、
15mまでにN値20以上の支持層なし、地下水位1.3m程度、
液状化マップでは液状化のリスクありとなっております。
周辺のボーリング調査によると、支持層は30m~35m程度かと思われます。

過去に質問させていただいた内容と一部重複する点があり恐縮ですが、
あらためて、以下につきまして教えていただけると幸いです。

1液状化に有効な地盤改良は、支持層まで杭を打つか、コロンブス工法となるので
 しょうか。併せて、他に有効な改良方法があれば教えていただけると幸いです。

2ハウスメーカーからは、柱状改良(約8m)のご提案をいただきました。
 柱状改良では液状化の対策にはならないが、支持層まで杭を打つと高額に
 なるため、起こるかわからないリスクにそこまで費用をかけない方がよく、
 液状化した場合に地盤復旧工事をすればよいとの考えでしたが、
 設計思想として、このような考え方はあるものなのでしょうか。

3他のメーカーではタイガーパイル(約10m)、節が付いた鋼管杭(約15m)を
 提案されましたが、液状化に対して有効なのでしょうか。

4杭を支持層まで打つ場合の地盤補強の概算費用はどの程度になりますでしょう
 か。

5コロンブス工法の概算費用はどの程度になりますでしょうか。
 (可能であれば、SE工法、重量鉄骨、RC工法それぞれについて、
 土工事、残土処理費用も含めて教えていただけると幸いです。)

6耐火構造・3階の場合、SE工法、重量鉄骨、RCが候補となるのかと思いますが、
 地盤改良費用を含めた施工費用と堅牢性などの観点から、
 非常に悩んでおります。隣の建物が1970年代のRCのため、
 地震により傾いた場合など、外部からのリスクに備えて堅牢性が高い建物が
 よいかと思っているのですが、建物規模から考えて、杭を支持層まで打つ場合は
 施工費用に対する地盤改良費用がかなりの割高となり、非常にコストパフォーマ
 ンスが悪いのではとも思っております。
 RC   :堅牢性が高いが、支持層まで杭を打つ必要があり施工費用が最も高い
 重量鉄骨:堅牢性と施工費用でバランスがよい。コロンブス工法などの置換工法
      が適用可能なら地盤改良費用を抑えることが可能
 SE工法 :堅牢性で最も劣る。コロンブス工法などの置換工法が適用可能で施工
      費用は最も安い。
 上記のように考えているのですが、どの工法がよいなど、理由を含めて
 ご意見をいただけると幸いです。

7上記3工法について概算建築費はどの程度になりますでしょうか。

専門家の回答

2件

星マーク
相談者が役に立った
2025年 8月22日
コロンブス工法は多数経験がりますが、建物重量で土の置換深さに影響が大です。
基本的に建物基礎面積の平方メートルあたり60kn/㎡以上の重量になる建物は
置き換え深さが深くなって、土留めなどの仮設工事が増えてきますので、難しいです。
目安として、木造は問題ないですが、RCだと2階建て、鉄骨だと3階くらいまでが
の建物に適応になります。概算費用などは建物の重さが分かる資料(例えば構造計算書
なければ建物種類規模が分かる書類)それと地盤データーがあれば目安の置換量が
出ますので。概算は出せます。
他の工法は、おそらく杭の仕様建物の構造計算などがそろわないと出ないと思います。
おそらくこの場合価格の安価順だと、柱状改良、コロンブス工法か、節杭(液状化には不向き)支持杭の順になるのではないでしょうか。
いずれにしても、建物の構造仕様によって変わりますので、それが決まらないと
概算費用もなかなか出せないと思います。
アイ・シー企画株式会社 長谷川
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ユーザーの返答

2025年08月24日

ホワイトブルーのプロフィール写真

建物の重量及び土工事費用を考慮すると、RCだと2階建て、鉄骨だと3階が現実的なのですね。
大変参考になりました。ありがとうございます。

星マーク
相談者が役に立った
2025年 8月22日
木造以外の重量のある建築とする場合は、ボーリング調査および液状化試験を行うことがスタンダードとなります。液状化試験を行えば、地震力の大きさに対して、被害レベルの想定ができます。また、液状化は比較的浅い地層で発生しますので、たとえば8m以上の深さならば液状化の発生しない安全な地層である可能性もあります。支持層である30mというとんでもない深さまで杭を打つ必要はまったくなくて、液状化層よりも深く、N値10程度の地層に対して、先端支持力のある翼付きの細い鋼管杭を複数打ち込めば耐力は確保できると想像できます。いずれにせよ、SWSのデータでは検討することは不可能ですので、高額にはなりますがボーリング調査を行うことが全ての出発点になることかと思います。少しでもご参考になれば嬉しく思います。
矢印
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ユーザーの返答

2025年08月24日

ホワイトブルーのプロフィール写真

ボーリング調査によって液状化層が比較的浅い層であることが確認できれば、液状化層よりも深く、N値10程度の地層に対して杭を打つことで対応できるのですね。
大変参考になりました。ありがとうございます。

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