株式会社ヨシダデザインワークショップの吉田と申します。ご回答させていただきます。
まず、メンテナンスフリーについてですが、私の理解ではあらゆる建材はメンテナンスが必要と考えております。例えば非常に強靭な建材を開発しても現場に運搬するサイズの問題で必ず「目地」が必要になります。その際に防水性の粘土のようなシールで塞ぐことになりますが、10年で(場合によっては数年)で劣化し、足場を立てて施工し直すメンテナンスが発生します。通常は問題が出るまで放っておく方が多いので、気がつくと深刻な状況になってしまいます。紫外線の影響を受けない建材も存在しません。
タイルの場合も同様です。下地における上記「目地」の問題。タイルの接着剤の劣化などの問題は程度の差こそあれ必ず発生します。
ガルバリウム鋼板の場合は屋根面状態では40年以上の耐用年数であることから、外壁でも同様の性能が期待できます。ただし、外から飛んできた釘などによる「もらい錆び」の問題は残ります。私も外壁にガルバリウム鋼板を使用しましたが、断熱材や空気層の適切な設計と施工によって数十年クレームもなく存在しています。
外壁についてオススメの素材をご質問されていますが、一般的に外壁として認知されている材料の場合、上記の「メンテナンスフリーは無い」という観点から、外壁に使用されている材料であれば、ご本人が一番気に入られた材料を使い、設計者から適切なメンテナンス計画を出してもらい、納得された上で「美しさ」や「ふぜい」などを優先して選ばれた方が長い目で見てよろしいかと思います。
私が過去に設計した建物も数十年を迎えて方々が痛んできていますが、皆さん建物を愛していただいているのか、メンテナンスをしていただけてるので現在でも良い意味で枯れた味わいが出てきています。
新住協については、私も詳しくはわかりませんが、高断熱の住宅を専門にしているNPOと聞いております。サイトでは確かな実績と組織であるようです。高断熱を最大限ご期待されるのであれば選択としては問題はないと思います。
ちなみにこれまで私は特に高断熱を言うこと無く通常の地域に即した断熱工法で設計してまいりましたが、特に寒いとか、暑いとかが問題になったことはございません。特に寒い寒冷地であれば優先順位が高くなるかもしれませんが。
在来の工法が一般的な住む環境を実現し、非常識な欠陥が無いのであれば、住宅はトータルコストの中で、仕上げや性能の配分を考えるべきだと思います。
以上参考になれば幸いです。