みく様
初めましてアトリエシーユーの竹石と申します。
東京都大田区で設計事務所を営んでおります。
まずお悩みは構造をどうするかということですが、
私が考える構造の決め手は3つあります。
一つは法的な規制です。
今回のご計画は特殊建築物(共同住宅)で3階建てですので、
耐火建築物(火災に強い構造)にしなければなりません。
鉄骨造の耐火建築物は比較的一般的ですが、
木造の耐火は今のところ新参者です。
知識と経験のある設計士、施工店に依頼しなければいけません。
そういった意味でのハードルの高さはあります。
次に建築費です。
昨今の建築費の高騰で、首都圏ではかなり鉄骨造も高額な建設費になってしまいました。
それに比べれば木造は安価です。
ただし前述の通り耐火建築物の木造は坪単価が上がります。
それでも木造の耐火の方が安いと私たちは試算しています。
最後は収支です。
ご存じの通り構造により減価償却が違いますので、相続対策なのか、投資目的なのか、
節税対策なのかなど目的によって考え方が変わると思います。
最近は木造の収益物件も増えておりますので、
銀行も木造だからといって借入れ期間を短くするなどのないようです。
今回は全額自己資金とのことなので関係ありませんが。。。
次に気にされているメンテですが、
きちんと修繕積み立てしてメンテを行っていただければ、
木造も鉄骨も変わらないと考えています。
商品を維持するという意味で手間は一緒なはずです。
また最近の賃貸人は木造とか鉄骨にこだわりはありません。
とにかくおしゃれで設備が新しければ問題なく借りてくれます。
最近私たちは耐火木造を積極的に取り組もうとしております。
時代のトレンドでもあり、国の政策も後押ししつつあります。
木造でも長屋(入口別々で共用部なしの賃貸)でしたら、
3階建てでも準耐火建築物に出来ます。
色々な戦略の中でも構造選定ですから、
断片的な側面だけではなく、総合的にご検討ください。
アトリエシーユー一級建築士事務所
竹石 明弘
http://ateliercu.jp