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OMソーラーと地中熱利用ヒートポンプ

こんにちは,tomo230と申します.初めて相談させて頂きます。

10数年前に換気性と断熱・空調を両立させるOMソーラーシステムを知って以来、自宅を建てるなら、環境にそれなりのお金をかけたエコ住宅をと考えておりました。
OMソーラーシステムは,冷暖房についてはサブシステムとの指摘を読みまして
ランニングコストを抑えた以下の他のシステムとの併用は可能でしょうか?

(1) ハイブリッド太陽光発電 OMソーラーシステム
(2) 地中熱利用ヒートポンプ(地中採熱用地盤改良杭を用いて掘削コストを抑える手法)
(3) エコキュート
よろしくお願いいたします。

このアドバイスは、旧HOUSECOの家づくり相談のアーカイブを移行したものであり、現行SuMiKaが提供する機能と齟齬がある場合があります。

専門家の回答

3件

2009年 8月19日
tomo230さん、はじめまして。

併用は可能です。ただ、OMソーラーの主旨からすこし書かせていただきます。

OMソーラーの空気を循環させるためのファンと太陽熱で暖めたお湯を貯める
貯湯槽は、それ専用の太陽熱発電パネルで駆動することが出来ます。
また、集熱屋根面に太陽熱パネルが一体になった屋根材を用いて発電出来ます。

冷房に、地中熱利用のヒートポンプを補助的に使うこともありです。

エコキュートとOMソーラーについては、OMソーラー?のHPのよくある質問
コーナーに、OM側の考えがあるのでそちらをご参照ください。

OMソーラーについて、どこまでご存知かは、ご質問からはわかりませんが、
OMソーラーは太陽熱で暖められた空気を床下に送り込んで暖房するシステム
です。夏は、その熱で日中お湯をつくり、貯湯槽に貯めておき、お風呂に使い、
夏の夜は床下に冷気を送って除湿するものです。冬の曇りの日に、補助として
空気を暖める暖房設備と加湿設備。夏の冷房設備(又は除湿設備)が要ります。

基本的に、ほどほどの暖房とお湯取り。除湿涼風を、空気とファンを使って循環
させる単純なシステムです。そこに、どこまで設備を加えるか、は個々のお宅の
生活にあったものを、ということになります。建築的な工夫がOMソーラーの
はじまりですので、OMをメインに、なるべく安価で単純かつ一般的な設備を
加えられるのが、一番エコなのではと思います。

OMソーラーの家に暮らして十年になりますが、冬底冷えがなくて寒くなく
夏はガス代かからず、適度に涼しく(でも日本の夏は暑いものです)ほどほどに
カラダによいシステムだと思います。なるたけ、クライアントの方々には
お勧めしております。体験も、良し悪しも全てご説明した上で。

長くなりました。細かい回答は、ひまわり会や関連書籍でお調べ下さい。

よい、家作りを。
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ユーザーの返答

2009年08月21日

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ちょろりんさま、アドバイスいただき、ありがとうございます。

> 建築的な工夫がOMソーラーの
> はじまりですので、OMをメインに、なるべく安価で単純かつ一般的な設備を
> 加えられるのが、一番エコなのではと思います。

まずはエコという言葉の意味をよく調べずにを安易に使ってしまい、申し訳ありません。
私のイメージです。
長期的な経済性(初期投資+ランニング・維持コスト+更新コスト)
+環境(外界)への影響の小ささ(例:室外機の動作音や排出熱などの小ささ)

> 細かい回答は、ひまわり会や関連書籍でお調べ下さい。
ありがとうございます。会員登録して、OMそーらー住宅の方の年間データを見てみました。

さて、
OMソーラーシステムで気に入っている点は、
・単純なシステムゆえの、耐故障性(メンテナンスコストの小ささ)
・換気性と(ほどほどの)空調です。

(1) ハイブリッド太陽光発電 OMソーラーシステム
を前提として、(エネルギー消費量の多くを占める)補助の給湯、冷暖房システムとして
以下の2つから検討を始めたところです。

(2) 地中熱利用ヒートポンプ
(3) エコキュート

追加の質問なのですが、(1)と(2) 地中熱利用ヒートポンプ、を両方
用いている例が見つからないので、どうしたら実現できそうなのか、
ご存知の方お教え痛ければ幸いです。

たとえば、
旭化成ホームズ(株)、地中熱利用ヒートポンプ給湯・冷暖房システム
http://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/tichuunetu2008.pdf
(初期投資額 250万円、ランニングコスト 6.2万円/年)

(1) ハイブリッド太陽光発電 OMソーラーシステム
と組みあわせて設計していただくことは可能でしょうか?

また、
http://www.fujishima-saitama.jp/jirei03.html
”6〜 10 メートル程度の鋼管杭”を打ち込んでの採熱チューブ配管と
OMソーラーの蓄熱コンクリートとを建物内のベタ基礎に
並存はできますでしょうか?

yamaguch

2009年 8月21日
tomo230さま

結論から申し上げますと、検討されているシステムとOMソーラーのシステムとの併用は可能ですが、経済的ではないと思われます。

・まず、OMソーラーの太陽熱によるお湯取りと貯湯システムと、地中熱利用に
よる湯沸し、貯湯システムが、重なるため、どちらをお使いになるか。
どちらのシステムも、お湯をつくり、貯める機能を含めた総合的なものです。
したがって、どちらかひとつで、充分住宅規模でしたらまかなえると思います。

・旭化成のシステムは、ヘーベルハウスに用いることを前提に、ハウスメーカーがオプションとしているものと理解しておりました。通常の在来工法の住宅に
そのシステムのみを提供してくれるのかは、わかりません。

・OMソーラーは床下を密閉して、暖めた空気が逃げないように、気密断熱する
工法です。そこに鋼管杭が貫通することは、地中とはいえ望ましくないと思います。

・(1)と(2)の併用事例ですが、太陽光発電は別として、OMソーラーの
お湯取り、貯湯と、地中熱利用ヒートポンプによる、湯沸し、給湯が重なるため
住宅の規模としては、どちらか用いれば、済むことで、事例がないのかもしれません。

・私個人の意見ですが、OMソーラーが、基本的な内部温熱環境の底上げを
してくれるものであるために、そのシステムに小さな冷暖房の熱源を足せば、
それで充分であると考えます。年間を通しても、一定の新鮮空気が絶えず循環
する利点において、ファン一台の電気代でまかなえるものですし。
太陽光で発電をして、照明などをまかない、空気はOMソーラーに任せて、
夏冬の数週間の、暑さ寒さを、小さなエアコンで補助するのが、現時点では
ベストであると考えます。設備機器に投資をすることも、環境の時代には
かかせないことですが、設計の工夫で風通しや日当たりを得る、基本が大切と
思いますが、いかがでしょうか?

・どのシステムもよく考えられ、それ自体で完結している、おのおのの工法を
併用することは、オーバースペックである。という観点から述べさせていただきました。

・最後になりましたが、私の住む二世帯OM住宅ですが、父世帯の基礎をすこし
上げて、内部に再生骨材(コンクリートの廃材ガラ)を充填することで、蓄熱と
湿気の遮断効果を試してみました。ベタ基礎の私達世帯の床より、OMソーラー
の効き目がよいようです。夏も、湿度の高い鎌倉の谷戸で、カラっとしています。(基礎外周の水色は、断熱のためのスタイロフォームです。熱が逃げないように)

・建築的な工夫をこらし、最小限の設備で、最大の効果を得る設計。
話をしだすと止まらないので、機会があれば、一度お訪ねください。実物で、
お話したほうが、早いですから。では、また。
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ユーザーの返答

2009年08月21日

HOUSECO登録のユーザーのプロフィール写真

ちょろりんさま、再度のアドバイス、頂き、ありがとうございます。

新たな質問から先に書かせていただきます。

> 併用することは、オーバースペックである。
私の評価基準からすると、検討中のシステムは、どれもスペック不足なのです。

[1] (建物周辺)敷地内環境の快適さ追求
敷地内での以下の影響度を抑えたい。
物理振動(静音性、振動性)
熱のやり取り(廃熱、吸熱)、
化学物質のやりとり(燃焼に伴うガス臭, 酸素消費)

[2] 給湯・冷暖房の補完システム
OMソーラーの弱点である夏場のエアコンとお湯とりができない期間(半年間?)の給湯設備への投資を検討しているところです。

そこで

1. (敷地内の)快適さのための環境デザインと建築デザインとの予算配分

設計の際の予算配分の目安はどのくらいなのでしょうか?

たとえば1998年頃購入した初代プリウスでは、車体価格250万円のうち、
同1500ccクラスの売れ筋車体価格は150万程度、差額の100万円がハイブリッドシステム代。
得られた最大のメリットは、停車時の騒音、振動のなさから来る快適さと、ガソリン給油回数の手間がおよそ半減したこと。
経済性についてはガソリン代が乗り換える前のおよそ5/3程度に減少。
---------

住宅の場合、単体のエコシステムの投資額が200-250万程度、
3種類併用(+高断熱化)して、750-1000万円程度かけるユーザの
総予算が2500万程度、というのは、バランスがよくないのでしょか?



前提として下記のようなニーズを考えています。
--------
1. 建物周辺・敷地内を含めた(廃熱、騒音)環境デザインへの興味

義父の敷地内の親宅(築30年以上?)のとなりに、こじんまりと新築予定です。

可能なら、親宅のエアコン室外機(現在3台)、給湯器、を含めて更新して
敷地内に、廃熱(吸熱)、動作音、ガス臭等を出す設備を撤去するのが理想です。
--------


さて
頂いたうち特に興味を持ちましたのは以下の下記の3点です。

1. 建築的な工夫をこらし、最小限の設備で、最大の効果を得る設計。

ご指摘のとおりです。ここはあまり考慮していないので今後勉強します。

2. 床下コンクリート蓄熱効果(量による改善?効率up?)の改善の試み

> 基礎をすこし上げて、内部に再生骨材(コンクリートの廃材ガラ)を充填することで、蓄熱と
> 湿気の遮断効果を試してみました。


3. システム単体での完結性に起因する併用システムのオーバースペック問題

> ・どのシステムもよく考えられ、それ自体で完結している、おのおのの工法を
> 併用することは、オーバースペックである。


ひまわり会でみたところ、私の自宅の近くの堺市でのOMソーラーハウスでは、夏の数ヶ月に電気代(エアコン代)がかなり増え、冬場にガス代(給湯?)が少し増えていました。
OMソーラーを体験していないので不安です。週末まずは完成見学会に行ってきます。

yamaguch

2009年 8月24日
tomo230さま

スペックの点はおいておき、以下三つの観点からお伝えしたいと思います。

1.OMソーラーについて

敷地内環境への影響について、物理振動は、OMのファン100Wの有圧換気扇から
音が出て、駆動にともなう振動も出ます。そのために、消音チャンバーなどの音を小さくする工夫と、ゴムパッキンや吊るすことによって振動を伝えない工夫がいります。熱のやりとりについては、今の時期、夏の棟ダクトの集熱温度は90度
近くまで上がります。そこから熱交換して50〜60度の空気を排熱します。
また、OMはガス給湯器を用いて、貯湯や補助暖房をするため、燃焼ガスが出ます。また、夏のOMは放射冷却による除湿冷風が主なので、夜間の風通しを計る
設計がいります。お湯取りに関しては、春から秋にかけてはそこそこのお湯取りが出来ますので、必要な期間は冬季の12〜2月と思います。
(OMの夏、クーラーを効かせると、電気代がかかり、冬の曇りの日、補助暖房でガス給湯器を使うので、じかに火が見えない空気のため、寒がりさんのお宅は
ガス代も増えます。ほどほどが何事もよろしいようです。)

2.環境デザインと建築デザインの予算配分について

本来、環境と建築とは一体にデザインされるべきものなのですが、あえて配分を

直近の例ですが、22坪のOMソーラー住宅で、建築工事1400万電気、給排水衛生
空調(OM含む)設備500万工務店経費200万設計監理料280万+消費税で合計2500万でした。建築費と設備費の割合はおよそ3:1です。
tomo230さまの三種併用をそのまま、当てはめると1500:1000で丁度プリウスの
十倍となりました。(もちろん規模が違ってくると思いますが)
もし、一般的な3:1の配分から考えると総予算(規模)4000万の住宅の設備であるのかもしれません。

3.環境デザインへの興味とニーズについて

お義父さまの庭先にこじんまりと予定されているとのこと。三種の設備は、
外部にそれぞれ、OMの場合はガス給湯器と貯湯槽、ほかの二つはヒートポンプ熱交換器と貯湯槽が二つずつ、置かれます。並べて1.5坪ほど+熱交換用の鋼管杭
を打ち込むスペースとメンテナンス空間として1.5坪 計3坪ほどの空き地がいります。
三つのシステムには、個別の配線と配管、制御盤、リモコンが必要になります。
それぞれの配管の通り道となるスペースも3軒分(まとめて最小2軒分)加えて、
OMの場合、私の二世帯住宅のそれぞれのファンボックスのギヤモーターが壊れ
交換、お湯取りのための循環する不凍液の交換が10年に一回ありました。
のこり二つのシステムの設備機器も、20年ぐらいの耐用年数でしょうか。
メンテや故障時の交換費用は、OMについては10万円以下でしたが、
のこり二つについては、まだ日が浅いため不確定と思われます。

OMソーラーは、その日その日のお日様の具合で、ファンを廻したり止めたり
外部環境との応答しながら、暮らすシステムです。三つのシステムを一元管理出来れば、それにこしたことはありませんが、それぞれが別の商売で、クローズしたシステムですので。お義父さまのお宅と、兼用併用できれば、ある意味、敷地内環境としては理想なのですが。

・さて、スペックの話ですが、私の考えるスペックというのは、自分の生活に
即した、設備の能力のことです。私たちの場合は、鎌倉という緑に恵まれた中で
その場に適したほどほどの設備がOMソーラーでした。夏は扇風機で、エアコンはほとんど使わず、窓開けっ放し。冬は朝晩タイマーで補助暖房を、1,2月に稼動させる生活です。tomo230さまも、暮らし方にあったシステムをお探し下さい。

最後に、都市部の街中では、植物の力を借りるのも、安価な方法です。面倒を見てあげればですが、夏の葉っぱの裏の温度は、蒸散作用によって、外気温より1,2度下がります。うまく室内に呼び込めれば、自然の冷房です。見た目にも良いし。近くにある、蔵を再利用した、写真のような家は私の理想でもあります。
設計者それぞれ考え方が違いますので、他の方の意見をよく聞かれてよい家作りを、お祈り申し上げます。勉強になり、ありがとうございました。
矢印
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