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RC造住宅の耐震性について

初めて質問を投稿させて頂きます。
45坪の土地(準防火地域)に3階建ての二世帯住宅を建築予定で、地元の工務店からRC造での提案を受けています。
耐震性について「耐震等級3はとれるか」と工務店に質問をした際、木造とRC造ではそもそもの構造計算の方法が違うから、耐震等級3の木造と耐震等級1のRC造では、RC造の方が頑丈だ(だから耐震等級3にしなくても大丈夫)という説明を受けました。
ちなみに、地盤は改良無しで建てられるそうです。

・耐震等級3の木造より耐震等級1のRC造が頑丈、というのは本当でしょうか?(先生方のお考えをお伺いしたいです)
・RC造の住宅においては、耐震等級2以上を取得するのは難しいのでしょうか?耐震等級2以上はオーバースペックでしょうか?

建築の知識もなく、乱文で申し訳ありません。
ご教示いただけましたら幸いです。

専門家の回答

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星マーク
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2020年 2月 3日
菜見子さま

こんにちは、九州熊本からFAD建築事務所古市と申します。
随分乱暴な解説ですね。まず結論から申しますと、耐震等級が同じであれば、構造が木造でもRCでも耐震性(構造躯体の倒壊崩壊のしにくさ)は同じです。

つまり、「木造とRC造ではそもそもの構造計算の方法が違うから、耐震等級3の木造と耐震等級1のRC造では、RC造の方が頑丈だ(だから耐震等級3にしなくても大丈夫)という説明」はこの文章のままだとすると、全く違うし、建築の専門家がこのようなことを言っているとは不思議でなりません。

詳しくは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にありますが、基本的には下記のような等級の判断になります。

【耐震等級3】
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第 88 条第 3 項に定めるもの)の 1.5 倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度

【耐震等級2】
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第 88 条第 3 項に定めるもの)の 1.25 倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度

【耐震等級1】
極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第 88 条第 3 項に定めるもの)に対して倒壊、崩壊等しない程度

耐震等級3が1よりも強いのは間違いなにのですが、地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを構造計算で評価したものが、耐震等級になります。木造とRC造では構造計算自体は違いますが、評価基準は上記の3つですので、同じ等級であれば「地震に対する構造躯体の・・・」は同じなのです。

ちなみに、木造よりもRC造の方が建物重量が重いので、地震による力はRCの方が大きく受けることになります。簡単にいうと、地震の力受ける壁は重量のあるRC造の方が、よりいっぱい必要になります。

結果的にはコストが掛かるということになりますが、ここでは超簡単に言っていますので、コストについては設計(構造計算含め)の工夫で調整も可能です。あくまで一般論としてです。

以上、菜見子さまの家づくりの成功を祈念いたします。
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ユーザーの返答

2020年02月04日

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古市様
ご回答ありがとうございます。
耐震等級の評価基準について、自分がモヤっとしていた部分に的確にお答えいただき、とても参考になりました。
工務店にもう一度発言の意図を聞いてみて、納得する家づくりをしたいと思います。
またご相談させて頂くこともあろうかと思いますが、またアドバイスを頂けましたら幸いです。

星マーク
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2020年 2月 3日
はじめまして。
大阪を拠点としますメラーキテクチャアーキテクツ建築研究所の吉松と申します。

ご質問内容拝見しました。
1点目について、概要としては、耐震等級3は耐震等級1で想定されている地震の1.5倍のものが起きても耐えうるように構造負担する壁などの量を増やし、構造計算します。
構造種も違いますので、明快な比較はできませんが、等級ベースなら木造の等級3の方が高いです。しかし、RC造の方が耐力が高いですが、耐震等級を取ることで、基準に合わせた構造計算がされているという点では安心感があろうかと思います。

2点目について、必ずしも耐震等級3に合わせたからといって、安全である保証はありません。
あくまで、設定、目安だからです。
建築基準法で何をベースとして耐震等級1があり、どこまで想定をするか設計者側と話し合ってその設定をし、理解した上で進めることが第一です。

その他、気になるところありましたら何なりとご相談下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
MERAKITECTURE ARCHITECTS STUDIO
メラーキテクチャ アーキテクツ 建築研究所
http://www.merakitecture.jp
矢印
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ユーザーの返答

2020年02月04日

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吉松様
ご回答をありがとうございます。
「基準に合わせた構造計算がされているという点では安心感があろうかと思います」というのは、まさにその通りですね。
どこまで求めるのかというのを家族や工務店と話し合い、進めていくのが大切だと改めて気付きました。
またご相談させて頂くこともあろうかと思いますが、またアドバイスを頂けましたら幸いです。

星マーク
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2020年 2月 3日
耐震のことは、他の建築家がお答えになると思いますので、余計なことかもしれませんが、一言。
工務店から提案を受けているということは、設計施工ですね?実は、設計施工というシステムは、日本にしかないのです。諸外国は、建築家とビルダーがいるだけです。ビルダーは決して設計しません。設計施工というのはありません。設計は建築家が行ないます。今回の提案された工務店には、建築士はいるかも知れませんが、建築家はいません。
何が言いたいのかというと、設計施工では、建築主の利益が保証されないことが生じる可能性があるということです。一般的に工務店の建築士は建築主のために考えることよりも、工務店のために考えることが多くなると思います。会社の社員ですから。今回のことも、建築家に相談すれば、はっきりすることです。
余計なことを申しましたが、これは大事なことです。
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ユーザーの返答

2020年02月04日

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荒川様
ご回答をありがとうございます。
工務店も営利企業な訳ですから、建築士の方も工務店のために考える、というのは考えれば当たり前だな、と気が付きました。
第三者の、建築家の方に相談することも家族にもちかけてみようと思います。
京都におられるので、ご依頼をすることもあるかもしれませんが、その際にはどうかよろしくお願いいたします。

星マーク
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2020年 2月 3日
こんにちは。
RC造にも大雑把に2種類の造り方だあります。
一つはラーメン構造と行ってビルやマンションなどの大きな建物に多く、柱
と梁で応力(司直荷重、水平荷重=地震力等)を負担します。
二つ目は小さな建築物に多く採用される(5階建て以下のマンション等にも)
壁式RC造です。

工務店が勧めている工法はどちらか分かりませんが、「壁式RC造」は今までの
地震の経験で一般的には、「地震に強い建物」とされています。
実際に住宅規模の3階建て程度の「壁式RC造」はとても地震に強いと実感しま
す。

RC造の強度は鉄筋とコンクリートの強度で決まる場合が多いですので、ラーメ
ン構造の場合は地震に強い建物にする為には、柱と梁に多くの鉄筋を配置する
必要が出てきます。
そうなると柱と壁が鉄筋だらけで、コンクリートがスムーズに入っていかなく
なってしまします。
このような場合は構造計算をするのにとても苦労するのが現状です。

「壁式RC造」を選択するのであれば、「耐震等級2」は必要無いくらいに強い
と思いますよ。

参考にして下さい。
アース・アーキテクツ一級建築士事務所 鷲巣(ワシズ)
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ユーザーの返答

2020年02月04日

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鷲巣様
ご回答ありがとうございます。
工法については、その2つがあります、どちらにするかはこれから詰めましょう、というくらいのレベルの話しかまだ出ておりませんでした。
壁式RC造の強さ、とても魅力的ですね。プロの方の目線からも強いと言って頂けると心強いです。自分でも詳しく調べてみます。
またご相談させて頂くこともあろうかと思いますが、その際にはアドバイスを頂けましたら幸いです。

星マーク
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2020年 2月 4日
はじめまして

ひとつ目のご質問については他の方も答えられているように、
耐震等級は設計指標なので耐震性は等級3>等級2>等級1であり「耐震等級3の木造より耐震等級1のRC造が頑丈」の説明は間違っています。
同じ等級で木造とRC造どちらが頑丈?となると、設計指標とは別の話で、RC造の方が設計・施工の各段階で安全側に作る余地が大きく、一般的には丈夫になる余地も大きいと思います。それを考慮すると工務店さんの気持ちも理解できますが、+αの部分なので性能の担保とするのはNG。RC造は+αの部分が、ミス(設計・施工共)や無理なコストダウンなどでマイナスに働く場合もあるので、しっかりと造ってもらう必要があります。

二つ目のご質問については
構造設計時に想定する地震力を変えるだけなので、難しいことではありません(当然コストは上がっていきます。場合によっては地盤改良や杭施工も必要)。ただし、予算が決まっていたり、設計が進んでいる場合は途中段階で等級を上げるのは難しいことがあります(時間とコストが必要)。

耐震等級2以上がオーバースペックかどうかに関して

官公庁建物の防災ガイドラインでは以下のとおり定義されています
 等級3 防災拠点(消防署・警察署など)
 等級2 避難拠点(学校・病院など)
 等級1 一般施設(避難施設に指定されていない図書館などがこれにあたります)

木造は従来、詳細な構造計算をせずに「経験則+工学」の基準で作られてきています。構造計算をすることでウイークポイントをクリアすることができるので等級を上げることは大変意義があることだと思います。
RC造の場合は元々詳細な構造計算に基づいて設計するので木造のようなウイークポイントがありません。木造のそれとはニュアンスは違ってくる面があるのでオーバースペックかどうかの判断が分かれるところです。

長文になってしまいましたが参考にしていただければ幸いです

おぎの設計室 荻野広一郎
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2020年02月05日

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荻野様
ご回答をありがとうございます。設計や施行の精度なども重要ということですね。ホームインスペクションなど第三者目線でのチェックも含め、信頼できる工務店かどうかの見極めもしていきたいと思います。
RC造と木造との違い(構造計算前提かそうでないか)についてとてもわかりやすいご説明をありがとうございます。
また、ご相談させて頂くこともあろうかと思いますが、その際にはよろしくお願いいたします。

星マーク
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2020年 2月 4日
はじめまして、アーキネットデザインLLC代表の市川均と申します。色々な回答を見て混乱しているかと思い簡潔に回答致します。この内容は専門家でも難しいです。
1、耐震等級は阪神淡路大震災後の品質確保法で決められた基準ですが、基本的には木造2階建てを想定しています。(当時それが一般的だったからです)
2、耐震性能とは、木造とRC造など構造種別やラーメン造や壁式造などの構造方法によって建物の揺れの特性が異なります。そもそも木とRCでは揺れ方が違うと言う事です。
3、地盤の特性も重要です。RCはそもそも重いので地震の力が大きくなり地盤への負担も大きくなります。簡単に言えばRC造には相応の地盤が必要と言う事です。
4、木造とRC造では施工方法(管理方法も職人も)も全く違うので一般的に施工会社も異なり住み分けています。
私のおススメは、地盤がRC造でも可能で、施工会社もRC造が得意であり、費用も足りるのであれば、壁式RC造です。耐震等級は特に取得しなくても良いと思いますが、心配であれば構造計算において耐震性能を少し上げてもらうと良いと思います。
少し難しい説明になってしまいましたが、これは多くの方が悩んでいる事なので回答しました。担当建築士さんと良く相談して下さい。
アーキネットデザインLLC
http://www.doctor-life.jp
http://www005.upp.so-net.ne.jp/ArchiNet/
矢印
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ユーザーの返答

2020年02月05日

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市川様
ご回答、ありがとうございます。
耐震等級は、木造を基準にしているものなんですね。大手HMの話を初めのうちに聞いておりましたので、数字にこだわりすぎていた部分もあるのかもしれません。
他の方からもお勧め頂いた壁式RC造のプラン設計を打診してみようと思います。
またご相談させて頂くこともあろうかと思いますが、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。

星マーク
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2020年 2月 4日
耐震等級は建物の硬さというものです。硬ければ壊れ寧ということで揺れないとは違います。生命の安全確保は後者で建物だけ残って中で怪我をしては価値がありません。ある意味耐震等級は時代遅れの基準です。
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2020年02月05日

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佐山様
ご回答をありがとうございます。
揺れない、という観点からアドバイスを頂きありがとうございます。諸事情により災害時の避難所生活は難しいと考えており、地震があっても自宅で暮らし続けられれば…という希望があります。その点も含め、建築士さんや工務店に改めて希望を伝えてみます。
またご相談させて頂くこともあろうかと思いますが、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。

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