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伝統構法の家について

現在、家を考えて1年半くらいになり、
これまで色々な家を拝見させて頂きましたが、
最近、調べていく内に伝統構法の家に興味を持ちました。

そこで質問させてください。
伝統的構法というと一口で言っても木組み、土壁、板倉、
石場建てなどが多くあると思います。

建築家としてこの伝統構法がお勧めというものをお教えいただけないでしょうか?
出来れば理由も付けて頂けると幸いです。

不躾な質問で申し訳ありませんがどうぞ宜しくお願いします。

以上です。

専門家の回答

6件

2015年 2月22日
蔵がベストです。なぜなら無垢だからです。火災に強くすきま風なしです。
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ユーザーの返答

2015年02月28日

z30zのプロフィール写真

ご回答ありがとうございました。

蔵なんですね。火災に強くすきま風なし。

なるほどです。

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星マーク
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2015年 2月22日
こんにちは。Interstudioの笹木と申します。
確かに伝統構法と言ってもいろいろあります。
Z03Zさんが、なぜ伝統構法に惹かれているのかを省みればおのずと答えはわかると思います。
一応一般的な意見を述べさせていただきます。
(1)かっこいい。
歴史的なことに興味をお持ちであれば、木組みだけで組み立てる、金物を使わない、職人技、歴史の重み、日本的、などの魅力はたまらないと思います。多くのファンはここが入口だと思いますが、もう一歩深入りして欲しいと思います。
(2)健康にいい。
木材が健康に良いと一般的に思われていると思いますが、本当によいのは土壁だと思います。線(柱・梁)を構成する木材よりも面を構成する壁材の方が圧倒的に空気環境を支配しています。伝統住宅の柔らかい空気感は土壁が作っています。(断熱性・蓄熱性・吸放湿性・放射熱など)さらに土壁にするなら、骨組みを伝統構法にするのがベストです。プレカットでは持たないでしょう。
(3)強い。
本格的な伝統構法の骨組みにすれば、確かに強いです。筋交や合板で水平剛性を各部で高める現行法のやり方に疑問を持つ方は多勢います。しかし本格的な伝統構法を構造的に立証するのは選りすぐりのチームで取組む必要がありますし、クライアントにもそれなりの理解力が求められます。
 ちなみにコンクリート基礎にすべきか、石場建てにすべきか、全体的にみれば局部的な工法の問題の差ではないでしょうか? 確かに木とコンクリートは相性が悪いので基本的には避けるべきですが、これは良好な土地に建てる場合のみ有効な手段だと思います。地面の下部構造次第です。
(4)自然。環境にいい。
環境負荷の少ない工法です。ほとんどの部材が自然素材で作ることが可能です。これを実現するためにはそれなりの設計者と施工体制を作る必要があります。アイディアだけでは失敗すること間違いなし、です。

次にデメリットです。
(A)高い。
かつて普通に行なわれていた伝統構法をそのまま実現するためには、良質の木材、技術とメンタリティ両面において質の高い施工体制、(レベルの高い構造設計者)、が必要になります。私が関わっている地域では容易にすべてを手配することが可能で、決して高価というほどではありません。しかし大都市中心部では困難あるいはかなり高価になってしまいます。
(B)構造設計と役所がネック
確認申請が必要な地域の場合は、建築基準法が大変な足かせになります。緩和規定で通過できる地域とそうでない地域の差もあります。正面突破するにはレベルの高い構造設計者との協働が必要になります。役所の申請料も格段に高価になります。おそらく適合性判定を受けなくてはならないと思います。(改正されたのかな?)
(C)中途半端なニセモノになりがち
これはデメリットではありませんが、(1)~(4)のすべてを満たしているのが本来の伝統構法なので、どれかだけでよい、という「ええとこどり」に陥る可能性が大なのです。そうすると効果が半減してしまう恐れがあります。質感の違いは、見る人が見ればすぐにわかってしまいます。

おおまかな話ではこんな感じです。
この中のどれがよいのか、ではなくてこれだけ多面性がある、ということだと思います。
4つの問題はお互いに繋がっていますので、どういうバランスを取るのか、というところに落とし込めばよいのではないでしょうか?
各部の部品・工法・テクニックの話になるととてもまとめきれません。
とりあえずはご自分の方向を見定めていただければ幸いです。
ご質問があればいつでもお気軽にどうぞ。
inters*****.com
http://homepage2.nifty.com/i-studio/

ユーザーの返答

2015年02月28日

z30zのプロフィール写真

ご回答ありがとうございました。

非常に参考になりました。
自分の方向性を考えるにはさらに自分でブラシアップして勉強するべき
だと痛感させられました。
簡単ですがありがとうございました。

星マーク
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2015年 2月22日
こんにちは。
何を以って伝統工法というのかは諸説あるので、一概にこれという規定はありません。
しかしながら、まず、
土台を敷いて柱を建てる物、筋交いを用いる物、金物を用いる物は、少なくとも伝統工法ではありません。
土壁、板倉というのは工法の一種というわけではなく、多くある仕様の中の選択肢の一つであるとお考えになったほうが、よろしいかと思います。
伝統工法を大まかに分別すると、神社建築、お寺建築、京都や高山に見られる町屋建築、地方の田園風景に見られる農家建築の4つです。
どれを選択しても、構造性能の優劣はさほどありません。
壁や床や天井をどのような仕様にするのかは、お好みです。
敷地環境とご予算から、おおよその仕様や選択する構造形式は決まってくると思います。あとは、建築士の力量と経験によるところが大きいです。一朝一夕でこの技術・知識を得るということはありませんので。

伝統工法の家にご興味をお持ちになった、その理由こそ、これからご自宅を建てられる時に大事になさるべき核になると推察します。

是非、一生に一度のことですので、竣工されるまでの長丁場をお楽しみください。
矢印
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ユーザーの返答

2015年03月01日

z30zのプロフィール写真

ご回答ありがとうございました。

なるほどですね。確かに伝統構法という中の仕様が土壁や板倉になる
というのは納得です。やはり自分の伝統構法に興味を持った理由を知るために
勉強していくしかないです。

まだ色々と道のりは長いですが頑張って行きたいと思います。

ありがとうございました。

星マーク
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2015年 2月24日
z30z様
 伝統工法に関心をお持ちになっただけでも、感心しています。
伝統工法ということで、私も改めて考えてみましたが、地方都市にある古い建物は
みんな木造在来の伝統工法なんですよね、あるいは東京の下町の住宅も。現在の都市部の分譲住宅も、加工はプレカットであれ、やはり木造在来が多いですので、伝統工法なのかなあ・・・
 あとは、柱が真壁(柱が見える)か、民家風に太いか、壁がプラスターボードか、板壁か、塗り壁か、という違いではないでしょうか?
 伝統工法になればなるほど、手仕事の部分が増えるので、非常に割高になっていきます。最近は、社寺建築でさえ、プレカットで、ある程度加工してますから。
 本当は、地産地消で、地元の材木を使い、地元の土で壁を仕上げれば、最高にエコなんですけど。私が以前、名古屋で大工の修行していた頃は、そういう住宅が
普通でした。壁は土壁で、荒壁をつけて半年以上、中塗りで半年以上。ただし、工期は2年くらいでしたけど・・・
 最近のせわしい世の中で、またそういう仕事をしてみたいものです。
矢印
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2015年 2月28日
はじめまして、アーキネットデザインの市川均と申します。
私は木としっくいの家を実践していますが、伝統構法といって、ひとくくりにしない方が良いと思います。本格的な伝統構法は、一言で言えば、石場建てで貫と土壁の家です。足下を固定せず、貫と土壁の強度と防火性を活かす建て方です。現行法規に適合させるには様々なテクニックを要します。
ちなみに私は、上記のような伝統的な構法を現代風にアレンジして実践しています。
以下にその木としっくいの家を紹介しますので参考ししていただければ幸いです。
1、全ての木組みは長ほぞ込栓の仕口とする。(プレカットでも可能です)
2、構造材は、高温乾燥を避け、指定産地から購入する。(全く高くないです)
3、内装壁はプラスターボードにオリジナルのしっくい塗りとする。(4000円程度です)
4、床板は杉厚板(厚さ3cm)を基本とする。
以上、4点は必須としていますが、これらの仕様は坪50万円で可能です。
後は予算に応じて、土壁や三和土土間、板倉を部分的に付加しています。
それと大切な事は、これらを当たり前の価格で工事出来る工務店や職人が非常に少ない事です。でもいます。興味があれば、HPをご覧下さい。
矢印
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2015年 3月 6日
ご質問に回答させていただきます。
ご質問の伝統構法については、日本各地に民家などの伝統家屋が存在しています。それは各地域の気候風土の反映でもあります。まずはお住いの地方の伝統家屋を調べて見ることが必要かと思います。

日本の伝統家屋はほぼ例外無く木造軸組構法で古来より作られてきました。仕上げ材料(土地の土)や木の組み上げ方に多少の地域の差はありますが、現在でも一般的な工法として定着しています。関係法令によって耐震性などを確保する金物の設置や壁量の規定などによって一般的な木造住宅に採用されています。

上記のように伝統を現代の法令に即した上で、リビングから美しい木軸を見せ、呼吸する土壁を使い、地震時に地面にあがなうことなく建物を守る石場立てを採用することに合わせて、地元の民家のデザインを取り入れることが、その地域の伝統風土を体現したまさに伝統構法だと考えております。

工務店やメーカーなどが勧める伝統構法の広告を見かけますが、多くは東京や京都、大阪の伝統を引き継いだ汎用の解決で地域性が抜け落ちているように思います。私たち建築家が考える伝統とは、お住いの地域の伝統を調査勉強し、法規上不可能な部分と生かせる部分を精査した上で形にしていくことであり、一番大切なことは囲炉裏端や畳生活ではなくなってしまってきた現代の生活(それをご希望の場合は、もちろん素晴らしいですが)に合わせた建築デザインを作り上げることが、未来に伝統を引き継ぐことと考えております。

話が長くなりましたが、ご質問のご回答としては、
お住いの地域の伝統民家を参考に、現代の法規や生活スタイルに即した形に再構築したすること。がお勧めの伝統構法ではないでしょうか。
僭越ながらご回答させていただきました。ご参考になれば幸いです。
矢印
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