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非常用進入口〔代替進入口〕用トップライト

教えてください。

非常用進入口に変わる代替進入口を
勾配天井にあたる屋根部分に取り付ける必要があります。
開閉できるトップライトを希望していますが、
FIXタイプでしか用意できないと工務店に言われました。
取り扱いしているメーカー、または特注で造作が
できるかどうか、ご存知でしたら教えてください。
建築地は東京の準防火地域です。
どうぞよろしくお願いいたします。

このアドバイスは、旧HOUSECOの家づくり相談のアーカイブを移行したものであり、現行SuMiKaが提供する機能と齟齬がある場合があります。

専門家の回答

5件

2010年 2月 6日
匿名様

工務店が用意出来ない理由が解りません。
何故用意出来ないかをお聞きになった方が良いと思います。

1)法的な条例がある→(条例等を調べる)
2)メーカー的に制作出来ない→(制作出来るメーカーを探す)
3)施行上の技術的な問題→(その部分も含めて考え直す)
4)コスト的な問題→(別途出費を検討)
5)経験上の提案→(リスクを聞いた上で判断をする)
6)その他の事情

メーカーから「制作可能寸法外」と言われたのか?
「コスト的に無理」と考えたからなのか?
以前に雨漏りの経験でもあるのか?
何か他に理由があるのか?

普通のサッシメーカーでも特注であれば基本的に出来ると思われますが、金額は既製品の倍くらいするかもしれません。

高価ですが「日本べルックス」という天窓の専門メーカーもあります。
http://www.velux.co.jp/

まずはFIXしか用意出来ない理由を工務店に聞いてください。

林泰介
矢印
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ユーザーの返答

2010年02月09日

HOUSECO登録のユーザーのプロフィール写真

林様

ありがとうございます。
工務店に用意できないと言われた理由は、
メーカーで製作できないということと、
べルックスは室内側が木製だからといわれました。
工務店のサッシを発注するサッシ屋とも相談したようです。
トステムに聞いたところ、
「スカイシアター」という天窓は、
非常進入口として使用できるものではないと言われました。
明日、再度工務店に確認してみます。
ありがとうございます。

2010年 2月10日
匿名様

乗りかかった船、もしくは個人的な興味で色々と調べてみました。

まずは法的な整理から
非常用新入口にかわる代替進入口(サッシ等の窓の事)のサイズ
幅75cm高さ1m20cm以上又は1mの円が内接出来る事(1m×1mはOK)
FIXタイプの場合はガラスの大きさを上記サイズとし、網入り等は不可
(防犯ガラス等も不可)
床面から1m20cm以下にサッシの下端が有るのがのぞましい。
理由:
基本的に火災の際に消防が救出する為の窓ですので、ガラスは割れやすい方が好ましく、FIXの場合はガラスを全部割って中に入ると考えます。開く事が出来る場合は内側の鍵を開ける為に少なくともその部分を割る作業が必要となり網戸程度であれば法的にも必要な場合も有りますので許可されていると考える。
最近の防犯ガラスの場合は割り難いので、不可の場合も多く、最終的には確認申請時の主事判断となります。主事により判断基準が変わります。

現状:
工務店が非常用進入口に変わる代替進入口にFIXタイプのトップライトしか用意出来ないという事は、そのガラスは網入り等を使用する事が出来ないので普通のガラスという事になります。

メーカー数社に確認

トステム:理由ー最大制作サイズが無理
スカイシアターを使用する事が出来ない理由としまして、代替進入口のサイズの大きさをつくれません。

YKK:会社の方針としましては不可(あくまでも個人の責任で)
制作サイズは微妙です。施工図面にての確認が必要です。
ガラスをトップライトは網入りガラスと防犯ガラス(フィルム入り)としています。方法としましては、ガラスを自己責任にて普通のガラスに変更(あくまでもYKKの責任ではないというスタンス)又は開閉出来る物で網入りガラスにて作成する事で確認申請上通るかどうか相談が必要。
*出荷時のガラスから別のガラスを帰る必要が有りますのでガラス代が余分にかかります

べルックス:過去に実例はありますが、自己責任です。
「室内側が木製」というのはあまり関係がないと思われます。
製品自体はガラス込みの出荷でガラスは基本防犯ガラス(フィルム入り)となっています。出荷前のガラスの変更が出来ませんので、納品後、工務店の下請け業者にてガラスの入れ替えが必要です。開閉の場合は網入りガラスに変更。
サイズは大きな物も有りますので、開閉タイプでも代替進入口のサイズをお満たしたサイズの制作は可能です。
*出荷時のガラスから別のガラスを帰る必要が有りますのでガラス代が余分にかかります。

以上、数社ですが電話にて確認しました。

問題点は
1)制作可能寸法かどうか
2)ガラスの種類

となります。

上記から代替進入口にFIXタイプのトップライトしか用意出来ないという工務店の話の矛盾点も出てきます。
基本的にその場合、普通ガラスとなりますので、確認したメーカーでは制作していません。また、室内側が木製だからというのもすこしおかしいです。(何か他にも関係しているのか?)
単純に確認申請事務所に確認するのをめんどくさがっているのか、メーカーにも直接聞いていないように思われます。

メーカに聞く場合も最初に出てくる受付レベルの対応は一言で「出来ません」と言われます。理由を確認すると技術担当レベルが出て来て説明をされます。

また、サッシ屋さんはそれぞれ、懇意にしているメーカーが有りますので、あまり、それ以外のメーカーを使いたがりません。普段あまり使わないメーカーの場合、仕入れ値が高くなる事も有ります。また、意外と他社製品の情報も知りません。

匿名さんの現場の状況(地域や地区、道路状況、敷地状況等々)も解りませんので、それらにより微妙に判断も違いますが、あくまでも一般的な検討としてご確認ください。

状況的には自己責任による部分が大きいと思われますので、その辺をご自身で整理されて、工務店に出来ないと言われた場合はその理由(出来ないと言われたからではなく)を確認してください。また、FIXなら出来る理由も確認が必要?

以上、あくまでもご参考までに、、

林泰介
矢印
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ユーザーの返答

2010年02月16日

HOUSECO登録のユーザーのプロフィール写真

林様

お礼のお返事が遅くなり申し訳ありませんでした。
丁寧なご回答ありがとうございました。
各メーカーに電話にて確認までしてくださり、
大変恐縮です。

我が家の場合、確認申請では
FIXでファイヤーテンパーガラスで確認申請が通っております。

YKKはサイズが微妙とのことですが、
べルックスではサイズの製作が可能なんですね。
あとはガラスの種類でしょうか。
べルックス製品のガラスの種類を納品後に交換することは、
どのような自己責任になるのでしょうか?
防犯面ででしょうか。

でもすでに現状、開閉は無理と工務店に言われ、
仕方なくFIXで了承の返事をしてしまいました。
今からでも変更してもらえるか…。
確かに工務店はあまり詳しくなさそうで、
サッシ屋に確認しただけのような雰囲気です。
もっと徹底して調べてくれればよいのにと思ってしまいました。

やはり林様の設計事務所のような所に設計をお願いすると、
細かな対応をしてくれるんですね。

我が家は事務所にお願いする予算がなかったので仕方ありませんが、
自分で色々と調べたりすることも多く、
なかなか思うようにいきません。

大変参考になるご回答、ありがとうございました。

2010年 2月17日
はじめまして、いなはら建築研究室の稲原と申します。

私事ですが現在、準防火地域での木造3階建て住宅の基本設計をしていまして、トップライトに
ついても採用の可否を検討しているところでしたので、こちらで調べたことをご連絡します。

まず、トップライトについての防火規定というのが、実は建築基準法では定められていません。
ただし、準防火地域ですから、「屋根」にも「外壁」にも「開口部」にも防火性能が求められてい
ますので、トップライトも何かに準じた形での防火性能が求められるということになります。

詳細な内容については、トップライトメーカーの菱晃さんのHP、「トップライト製品の耐火に関す
る取扱いについて」 http://www.kkryoko.co.jp/toplight/fire.html をご覧下さい。

トップライトを「開口部」とみなすならば、「防火設備」(旧来の乙種防火戸)の基準を満たす必要
(20分の遮炎性能)がありますので、メーカーの認定品の中から選ぶということになります。
ガラスについては、網入ガラスでは消防用進入口とは認められませんから、旭硝子のマイボー
カのような耐熱強化ガラスを使用することになります。このガラスの採用上の制約は特にありま
せん。
進入口となると相当の大きさが必要ですから、既製サイズでは無く特注サイズになりますので、
メーカーに製作の可否を確認する必要があります。
べルックスなどの木製トップライトでも、防火設備認定品であれば、使用は可能かと思います。

トップライトを「屋根」とみなすならば、「不燃材料で造るか葺く」または「準耐火構造」または「同等
の性能として大臣が認定したもの」(30分の非発炎性・非損傷性)のいずれかの性能が必要となり
ます。
トップライト自体に防火性能が求められていないのですから、大臣認定品というのも当然存在しませ
ん。また準耐火構造にもなりえませんから、自ずと「不燃材料で造るか葺く」というものになります。

ガラスや金属は不燃材料ですから、金属枠にガラスを嵌めたタイプのサッシ・トップライトであれば
問題なく「不燃材料で葺く」ことになりますが、そのガラスが問題となってしまいます。
平成12年建設省告示第1399号の第5に、耐火性能を満たす屋根の構造方法が決められており、
その中で、「鉄材で補強されたガラスブロック若しくは網入ガラスで造られたもの」という規定に
よって、網入ガラス以外は使用出来ません。これはガラスに「非損傷性」が求められているためです。
従って、「屋根」という扱いで、網入ガラスを使用しないという選択肢は無いということです。

確認申請を行った建築主事が、どのような判断をされたのかが不明なのですが、「木製はダメ」とい
うことから(多分屋内側がダメなのではなく、屋外側がダメなのだと思います)、「屋根」に準じた判
断をされているのではないかと思います。屋根のほうが防火性能が厳しいですし。

どうしても腑に落ちないようでしたら、工務店と一緒に確認を行った建築主事の元に行き、建築主事
がどのような判断をされたのか、確認してみたらどうでしょうか。

その内容によっては、匿名さんの希望に沿うような形になるかもしれません。

重要なのは、「トップライトには防火性能に関する規定が無い」ということです。
矢印
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2010年 2月17日
調べていくうちに、いくつか疑問が湧いてきたので、もう少し書いてみます。

はじめに、建築主事の判断については「憶測」で書くことをお許し下さい。

開口部に比べて屋根の方が要求される防火性能が高いこと、「木製はダメ」
という発言から、トップライトを「屋根」に準ずるものとして判断された
のではないでしょうか。
そうなると、先ほどコメントしたように、「網入ガラス」しか選択肢があり
ませんが、トップライトを消防用進入口としてどうしても使用しなければな
らない関係上、網入ガラスには出来ない。

「特定防火設備」の開口部であれば、遮炎性能が1時間あるので、30分という
屋根の防火性能を上回る。(実際には対象とする性能が違うので比較不可)
耐熱強化ガラスを使用した特定防火設備であれば、網入ガラスではないので
防火性能を満たした上で、消防用進入口になりえる、という流れではないで
しょうか。

「特定防火設備」(旧来の甲種防火戸)の窓タイプのものは、ガラスとサッシとを
一体の防火設備として認定を受けています。ガラスはFIXガラスに限定されます
し、サッシもアルミではなくスチールになっていると思います。ガラスを止め
るシーリング材も耐火材料になっています。

お手元に確認申請の副本があれば、確認してほしいのですが、サッシの材質が
スチールで、ガラスが耐熱強化ガラス(ファイヤーテンパー)、サッシの種類が
特定防火設備、さらにサッシの防火性能に関する資料やカタログ等が挿入され
ていれば、残念ながら、このサッシを開閉式のタイプに変更することは不可能
だと思われます。
逆に、「特定防火設備」でなければ、変更出来る可能性はあります。

ただ、現実的には、再度建築主事に判断を仰いで、変更届を出さなければなり
ませんし、消防にも確認作業をして、「消防同意」をもらわなければならない
ので、工務店からするとかなりの労力になりますから、匿名さん自身が積極的
に動かない限り、変更は難しいのではないでしょうか。

それから、これは余計なことかもしれませんが、実は、耐熱強化ガラスでは消防
用侵入口には成り得ません。

進入口として使用出来るガラスは、普通ガラスであれば厚さ6mm以下、強化ガラス
ならば厚さ5mm以下、耐熱板ガラスならば厚さ5mm以下、この3種類しか認められて
いません。
耐熱強化ガラスは、耐熱板ガラスでも強化ガラスでもありませんから、進入口とし
て使用出来るガラスには該当しません。メーカーの担当者も「良く間違えますから
気をつけてください」と言っていました。

その点は、きちんと工務店に確認をしておかないといけないと思います。

ちなみに先ほど紹介したマイボーカガラスは強化ガラスと同等の強度を持つ「防火
ガラス」ですので、進入口のガラスとして使用できます。(メーカーに確認済)
ただ、遮炎性能は20分なので、「屋根には使えない」ということです。

いずれにしても、納得の行くまで行動しないと、後悔します。
矢印
この専門家のプロフィールを見る
2010年 2月24日
匿名様

およびINA様

ものすごく遅いレスになってしまいましたが、文章の説明不足を補います。

トップライトのガラスが網入りガラスの理由ですが、防火云々ではありません。
メーカーに確認したところですが、安全面での理由です。割れた場合ガラスが落ちないように網入りガラスもしくは割れても飛び散らない飛散防止性があるガラス等を出荷時には使用されているそうです。

文章での「自己責任」とは割れた場合、怪我をする恐れがありますということです。消防等の救出を考えると「割れやすいガラス」が好ましいのですが、防犯、安全性から考えると反対の性能が必要です。

メーカサイドからは万が一割れて怪我をしても「勝手にガラスを変えて使用されているので当社には責任はありません」というスタンスが好ましいのです。
勿論僕が設計する場合も以上の理由を説明した上でお施主さんの意思によるものとして計画すると思われます。

FIXのファイヤーテンパーガラス(耐熱強化ガラス)で非常用進入口としてクリアーされているのであれば、(建築主事判断なのでしょうか?)FIXでなくても同じガラスでも確認申請は非常用進入口としてクリアーすると思われます。
問題はサイズがあるかどうかです。

林泰介
矢印
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