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家づくり相談

杉の集成柱+安心ボードが標準の家、柱の種類を変更するメリットとデメリットを教えてください。

これから購入した中古物件を解体し、新築を建設予定のものです。ベタ基礎、基礎のすぐ上の木材はひのき(120×105)、通し柱は杉の集成材(120×120産地確認中)、管柱も杉の集成材(120×120)、梁は米松が標準の地元限定のハウスメーカーさんで設計してもらっています。能登地震後さらに耐震補強をするために安心ボードを柱の間にはめ込む構造になったこと、能登地震でもこちらで建築した家はどこも被害がなかったことを担当者からは聞いています。
このハウスメーカーに決める前に候補にあった別の会社の展示場で、杉自体が構造に使うには弱いこと、ましてや集成材なんて30年後から耐久性ががた落ち(接着剤の剥がれなどにより)になることを聞いており、現在の会社での柱を別のものに変えてはどうかと夫婦で話し合っています。その別の会社の標準は、布基礎(必要時のみベタ基礎)、基礎のすぐ上の木材は米ヒバ、柱はひのきの無垢材、梁は松でした。

当初は建築後数年で木の動きによる建具の開閉しづらさなどが起こる無垢材よりは動きの少ない集成材の方がいいと感じたこと、設計が現会社の方が良くコストも300万円ほど違ったこと、現会社の柱はオプション価格にはなるがお客様の希望に合わせて変更対応もできます!と言われたことが決め手となり別会社の方はお断りしました。断熱材に関しては別会社がアイシネン、現会社はアイシネンの次に高性能と言われるもの(どちらも吹き付け)です。これまで構造や材種については主人に一任して来ましたが、杉の集成材の柱が弱いと聞いたことが不安に残り、松ヤニを多く含むため水に強いと言われる赤松の集成材(ブラス10万円)かひのきの無垢材(プラス10万円)か米ヒバの無垢材(プラス10万円)ひのきの無垢材(プラス30万円)かで、悩んでいます。
梁は横に強いと言われる米松ですし、安心ボードは、横揺れに強い建物にするためのものであって柱の補強材とは違うと聞いており、不安なのは縦揺れに弱いのではないか?と言う部分です。

主人の意見では、その会社会社で強みがあるからその会社の推してる標準のものにした方が全体的なバランスも崩れなくて無駄もないのでは?と話しています。また、リフォームや立て替えも今後30年先以降にあるかもしれないのに見えない構造部分にお金をかける必要は感じないとも言われました。

私の意見では、その会社の推してる標準のものにした方が全体的なバランスが崩れないと言うのはもしかしたらそうなのかもと思ってしまいますが、リフォームするなら一階のこの部分をこうする想定でと設計士さんに話して間取りの変更をしてもらっていることや万が一車イスになっても一階の生活では不自由なく通り抜けられる導線や通路幅、入り口幅になっていることからあったとしても息子夫婦と同居のために増改築するかもしれないということぐらいなので、柱は既存のまま残す可能性が高く、30万円くらいなら今お金をかけておく方がいいと考えています。

家の耐震補強と、もし売ることになった場合の家の評価の違い(ひのきの無垢柱の方が高評価?)について専門の方にご教授していただけると大変助かります。

現在、木材のプレカットの日程を遅らせてもらい、この週末(12月17日)までに柱の材種について返答することになっています。よろしくお願いいたします。

専門家の回答

7件

2017年12月12日
お悩みの件、とてもよく分かります。工務店によって仰ることは違ってくると思いますが、柱に集成材を使うより、無垢材を使ったほうが良いのは確かなことだと思います。集成材を使うのは、主に施工側の選択であり、建築主側の問題ではありません。集成材を使うと、施工しやすく、あとあとクレームが少なく、材料費も抑えられるために選択されているのです。でも、よくよく考えてみると、この日本国内で、集成材の柱を使った木造住宅で、築30年以上経った住宅はまだないのではと思います。ですので、集成材の柱が、30年後も大丈夫と言う保証は厳密にはないのです。ちなみに私は、自分の設計において建築主の要望がない限りは、木造住宅の構造材に集成材は決して使いません。私自身、30年後は生きていないと思いますが、私の設計した家がどうなるか不安ですから。
通し柱を桧の無垢材にされ、管柱を杉の無垢材にされたら、それほどの金額アップにはならないのではと思います。土台はヒバがいいですが、高いので桧で充分だと思います。梁は国産の松は高いので、やはり米松になるでしょう。それで、構造耐力的にも充分だと思います。せっかくの新築ですから、よくお考えになったほうが良いと思います。
矢印
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矢印
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2017年12月12日
見えない部分だから、よくわからないしハウスメーカーによって言うことが違ってくるので、悩みますよね。

無垢材は乾燥方法によって動く大きさが違いますが、施工会社としては集成材より扱いづらいのは確かです。しかし、集成材には接着剤が使われていて体によくないものが含まれている可能性があります。日本のフォースターの基準は欧米に比べるとかなりあまいので害があるものでも通ってしまいます。新建材なので、先が保障されていない事も含め、私は無垢材をおすすめします。

また、断熱材は吹きつけとの事なので発泡ウレタンかと思いますが、ウレタン系は湿度の調整はしてくれないので、壁内結露の危険があったり体感温度として快適に感じないかもしれません。私は湿度の調整もしてくれるセルロースファイバーをおすすめします。

見えない部分にお金をかけたくないと思うご主人の気持ちもわかりますが、見えるところは見えないところより修繕しやすいです。後々を考えると見えない部分にこそ、こだわっていただきたいです。

300万円違った内訳を知りたいですが、イニシャルコストが300万円安くてもランニングコストでそれ以上かかったら意味がないですよね。

せっかくの新築なので、しっかり考えられて満足いく家造りが出来ることを願ってます。
矢印
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2017年12月12日
柱の強度が弱くて良いかは、柱の加重負担面積によります。構造的に不安があるのであれば、まずは構造計算をするのが最低ラインです。その上で、余裕を見て、柱のサイズを決めるべきです。
集成材は、長期的な構造耐力に不安が残りますので、気になるのであれば、無垢材の方がおススメですが、無垢材は、そもそも背割りが入っていたり、梁にも割れが至る所に発生するので、見た目の不安が残ります。それでも、個人的には無垢材をおススメしたいです。又、無垢材は初年度、割れの音が煩いです。
矢印
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2017年12月12日
杉が構造には弱いから使わない方が良いなんて、誰が言ったんですか?!
そいつは、クルクルパーですね。杉は丈夫な木です。弱いのは、そいつの
頭の方です。ですが、桧や松の方が、せん断には優れています。
でも決して弱い木ではないです。
土台などに使う樹種は、せん断にも優れた木を使いますが、「腐らない」
という条件が付加されます。ですから、隠れてしまうために美しさでは
桧に負けますが、腐朽性に優れたヒバを使います。青森ヒバなどは高価ですが、
桧よりは米ヒバの方が安いです。しかも丈夫です。

集成材の歴史は古く1930年ころからアメリカで使われ始めました。
当時の接着剤は、カゼインという牛乳やチーズに含まれているタンパク質を
原料としたものでした。70年近く経つものが現在でも立派に残っています。
日本でも1950年代には三井が尿素樹脂を使って集成材を出しています。
もう50年以上前ですよね。
ただ、接着剤の質や加工の精度によって、集成材の性能は大きく分かれます。
私の経験でも昔の集成材の接着剤と接着方法は良くなかったと思っています。
集成材や合板などの材料は「木口」が弱点です。無垢材でも木口は弱点です。
当然繊維方向なので、水が掛かれば吸い込みます。
困ったことに集成材のラミナは辺材なので、水も吸い込みやすいです。
すると接着層に浸水して剥がれる、腐るということが起きるのです。
従って、水の心配が有るところには絶対に使うべきでは無いのです。
リスクと言う観点から見れば、現在では相当に品質は向上していますが、漏水の
心配が有る、多湿になる場所には集成材は使わない方が良いでしょう。

ですが、最初にも言ったように樹種としての杉は適材適所で、とても優れた
構造用の材料と成り得ます。また化粧材としても素晴らしい表情を持っています。
住宅屋は、自分のところの商品を売りたいがために、まぁ他社の悪口雑言を
無知な客に、しれ~っと言うのが当たり前です。またネットで質問などしても、
偏向した意見の方が圧倒的に多く返ってくるでしょう。

それから「安心ボード」とは、恐らくニチハの耐力面材「あんしん」のことを
言っていると思いますが、これだって、パルプ、つまり「紙」が主原料です。
それに「珪酸」のようなもの、つまり石膏に練り混ぜたものを面材にしたもの
なのです。これらは湿気に、どれくらい耐えられるのかについては、工業試験
だけで、経年劣化については想像するしかないのです。
またダイライトなどの面材に限らず、パネル工法の耐力面材の施工は、本当に
注意して、施工要領の通りに施工しなければ、地震が来たときに全く機能しない
ばかりか、逆に梁や柱に物凄い力を伝達してしまい、崩壊まで引き起こします。
ただ丈夫なものを使っていますと声高に宣伝する会社は、どれくらいの
施工レベルで建築をやっているのか、言わないことの方が多いです。
仕事に自信が有る会社の方が、新しいことには及び腰ですね。
矢印
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矢印
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2017年12月12日
Kayoさま
施工業者も様々な考え方やセールストークがあるので、お悩みの事と思います。私もこれまで柱梁とも無垢の国産杉で多くの住宅設計をしてまいりましたので、出来れば無垢材!と言いたいのですが、ここは一度冷静に検証をしてみましょう。

一般的に杉が弱いと言われるのは木材の強度の基準になるヤング係数という数値が米松や桧よりも低いというのが理由です。しかし当然のことながら無垢材は工業製品ではありませんので、ばらつきが発生します。そのばらつきが杉の場合他の樹種よりも多いのです。実際桧のヤング係数より高い杉も存在します。しかし低いものも多いため杉=弱いとされていますが、一概に弱いというものではありません。実際に梁を折る実験では米松よりも亀裂ができるのは早いのですが、粘り強く完全に破断するのは杉の方が遅いという結果が出ています。強いものはポキっと折れるということですね。

次に集成材についてですが、日本でも50年以上経った建物(体育館など)はあります。当時はユリア樹脂という接着性の弱いものを使用しておりましたが、現在でも存在しています。しかし多くのホルムアルデヒドを放出するため、今では強度があり発散の少ないフェノール樹脂が良く使われています。但し0というわけではありません。

以上を踏まえて、私は集成材でも良いと思われるのなら杉でも問題ないと思います。無垢材にするのなら米ヒバでも十分だと思います。化粧材として使うのであれば桧が良いですが、桧にしたからといって転売するときに建物評価があがることは考えにくいです。

但し土台及び大引きは国産の桧またはヒバの無垢材をお勧めいたします。湿気(水分)に対して集成材は一抹の不安が残ることと、外材は白アリに対して弱いのが理由です。

それぞれのメリットデメリットを考えて、後悔しない家づくりをお楽しみください。
矢印
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2017年12月12日
主人の意見では、その会社会社で強みがあるからその会社の推してる標準のものにした方が全体的なバランスも崩れなくて無駄もないのでは?

ご主人様の見解で大丈夫ではないでしょうか。


●耐力的なこと

<柱の役割>
1.鉛直荷重(家の重さ)を支持すること。
2.水平力に抵抗すること(多少)。
3.耐力壁の両端に作用する圧縮力や引張力に抵抗すること。

この中で重要なのは3です。現代の在来軸組工法は、柱単体で地震力に抵抗するわけではなく、柱と柱、そして梁を面材で固めた耐力壁として抵抗します。柱だけで抵抗する場合は、社寺建築のような巨大な太さで始めて効果がでます。耐力壁を構成する柱には、主に圧縮力と引張力の2つの力が発生します。

使用される木材を調べれば、それぞれの等級や基準強度(N/mm2)がわかります。等級は集成材にもあります。集成材の等級は無垢材より幅広く、強度も小さいものから大きいものまで様々です。なので、まずはメーカーさんに使用される杉の集成材の基準強度を確認してみてください。もしかしたら、無垢材よりも強度がある可能性があります。

また、耐力壁というのは、軸組と面材が正しく釘、金物によって接合されて効果が出ますので、木材だけではなく、金物の施工状況も現場で確認されると良いかと思います。あとは、耐力壁の量とかバランスとか、挙げたりきりがないですが、プランはきっと大丈夫でしょう。


●劣化的なこと
耐力的なことは良いとして、問題は他の回答者様もおっしゃるように、接着剤のはがれなどの劣化についての懸念かと思います。私は、集成材の柱の経験がないので何とも言えないのですが、壁の中(大壁)の柱は内部結露でもしない限り、そうそう接着が剥がれたりはしないかと思います。剥がれたとしても、全ての柱が同時にそうなるわけではないでしょう。ただ、柱頭、柱脚といった接合部分に亀裂が入ってしまうのは危険ですね。そうなると耐力も落ちてしまいます。


長くなりましたが、閉じて見えなく部分ですので、気になるならば無垢材に変えるのも宜しいかと思います。ただ、記述した通り集成材だから地震に弱いとか、そういう話でもありません。ご主人様がおっしゃるように、コストと安全性のバランスを考え、集成材でも問題ない部分が柱だとメーカー様の設計者が判断したのでしょう。何かと、ご不安になる気持ちはわかります。ですが、考えすぎも良くありません。

いよいよ着工、楽しみですね!
きっと良いお住まいができるはずです。
矢印
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2017年12月12日
はじめましてアース・アーキテクツの鷲巣(ワシズ)といいます。

無垢材と集成材のメリット・デメリット、及び樹種による建築の専門的な
ご意見は十分すぎる範囲で他の方たちが回答されていますので、私は二つ
ほど付け加えておきます。
縦揺れの事を心配なさっていますが、構造計算をすれば分かりますが、木
造住宅では短期の地震時の縦揺れ(突き上げ)には十分すぎる体力があり
ますので、ご心配はいりませんよ。
また耐力壁に面材を使用するようですが、接着剤併用の面材でしたらいい
のですが、指定された釘のみの取付ですと「釘の引き抜き耐力」の問題も
発生いたします。各集成材の「釘の引き抜き耐力」のデーターを提出して
頂いた方がいいと思います。
私の経験ですと「釘の引き抜き耐力」は、杉は桧に比べると劣ると思いま
す。

参考にして下さい。
アース・アーキテクツ一級建築士事務所 鷲巣
矢印
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