そんなに大きな音が響きますか?
ネダレスだけが悪いってことは無いと思います。
音について少し考えてみましょう。
音は「振動」です。音を消すには振動しない、振動が
伝わらないようにすれば良い訳です。太鼓をイメージして
みてください。小さな太鼓よりも大きな太鼓の方が、より
大きな音がしますね?それは「空気の容積」が大きいこと、
それから振動させる「皮の面積」が広いこと、共鳴する
「胴の面積」が広いせいです。
ネダレスの場合、90㎝×90㎝の皮が張って有るのと同じ
ですから、もしも30㎝間隔で根太を入れた場合よりも
振動させる面積が大きくなることになりますね。
但し、合板の厚さは24ミリ、その上に合板のフローリング12ミリ
を施工するケースが多いでしょうから、合計で36ミリもの
厚さになります。36ミリの合板は、1枚板の無垢のフローリング
よりも「硬い」ものになります。無垢の方が繊維の空隙が多いです。
しなやかだと言えます。合板の方が震えにくいのです。
しかし、硬いものなので自分では音を吸収しない訳です。そのまま
振動は空気に伝わります。
2階の床仕上げから階下の天井までの懐が深く、また気密性が高ければ、
最初に説明したように空気の容積が大きくなり、大きな音が階下へと
伝わるという事になります。
また硬いものの振動は振幅が狭いので高い音が伝わるようになります。
人が歩いたときのような場合はドンドンというような音がすると
思いますが、甲高い音が響くというようなことは無いのではないでしょうか?
これは、根太床でも言えます。つまり振動させる面積が小さくて、
合板の12ミリに無垢の15ミリ程度のフローリングを貼った場合、合計で
27ミリですから比較的、振動しやすいと言えます。ですが、面積が1/3
だったとして、ネダレスと、どれくらい違うのだろうというレベルだと
思います。厳密に実験をしていないので、断言できませんが、人の聴感は、
まさに「感覚」である場合が多いです。
あからさまに違うとは聴き分けられないということです。どうしても
ネダレスだからという思い込みが有ると、うるさい家だなと思い込みます。
既に施工されていることも心理的には「取り返しが付かない」
「やめれば良かった」「安普請だ」「昔が良かった」などの感情も手伝って、
今のお住まいに不信感を抱かれるのではないでしょうか。
私は今でも1階、2階とも根太床で設計をします。1階は根太床でも
2階は、ネダレスで設計される方が大分増えましたね。気持ちの問題だとは
思うのですが、私は歩いていて、なんだか、フワフワするような気がする
からです。気のせいですかね(笑)
いずれにしても、階上の音を階下に伝えないようにするには、並大抵の
気の使い方では無理です。設計の初期の段階から、細かく気を使って
構造から決定しなければ無理です。佐山さんも仰っているように、振動させ
ないことが大切ですから、絨毯を敷く、スリッパを履くなどすれば相当に
音は小さくなります。
気に入らなければ天井を捲って、防音処理をするしか方法は無いです。
ナンセンスだと思いますが、下に人がいるのだと気を使って歩いたり、
作業をしたりできる「思いやり」を持てる様にすることが一番安価で、
しかもためになりそうですね!
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