一番気をつけることは、鉄の使用ですね。非常に不安定な材料なので。
さび止め塗装や、ガルバリウム鋼板のような薄いメッキでは不十分です。
亜鉛のドブ漬けや、ステンレス等の金属を使うべきでしょう。
アルミサッシュも海沿いの建物で溶けている状態のものを見たことがありますが、特に問題はないと思います。
雨戸は必須です。固形物が飛んできますので。
屋根材は、釉薬瓦等の安定性の高いものが望ましいでしょう。
釘や金物等も注意が必要です。図面には書かないことですから、現場でもしっかり周知させる必要があります。
以前、海が目前の住宅を設計したときは、屋根は天然スレート(東京駅などに使われているものです)で、海側の建具は木製建具にしました。もちろん雨戸付です。
水切等は着色ステンレスです。(生のステンレスは、もらい錆びをする可能性が高いです)
平家だったので、それほど注意しませんでしたが、二階建てなら耐力壁も割り増す必要があります。海沿いは塩害だけでなく、風も強くなりますから。
噂に聞いた話ですが、風の強い岡の上の住宅で小屋裏通気口から暴風が入り込み、屋根を丸ごと引きはがしたというケースもあったようです。
小屋裏通気口に直接風が入り込まないような工夫と、垂木の固定金物(ひねり金物ではなく、くら金物)にする等の工夫も必要だと思います。
竣工直前に、記録的な台風が直撃しましたが、雨戸のおかげで無傷でした。
屋根には大きな漁業用の浮きが激突していましたし、隣の漁港では防波堤が転倒したり、道路が海に崩れ落ちたりしていましたが。
エアコン等の機器は耐塩害使用にすべきですし、駐車場は海風を直接受けない場所がいいと思います。