これがプロパガンダの成果って奴ですかね。
KAITOさん、ネットで十分調べられますから、御自身で少しググってみてくださいよ。
「等級」ってくらいなんで、何かの基準が有って、それを大まかに3段階に
表しているに過ぎないんですよ。こんなものが決められる前から丈夫な家を
設計したり、作っていた会社は、いっくらだってありました。しかし物を売る
側のものは「明確な差別化」を図りたいんです。これ、面白いですよ。
つまり差別化が目的じゃないんです。
物が売れる、つまり消費者は「何で」、「何を」理由にして物を買うかというと
ですね、それは「機能」ではなくて「価値」に投資するんです。対価を支払う。
みんな、地震が怖いから丈夫な家を建てたいと考えますが、それは直接的な
理由じゃないんです。地震に強い家という「価値」に金を払っているに過ぎない
んですよ。分かりにくいですね(笑)
僕らは設計屋なので丈夫な家を設計しようと考えます。そんなの基本です。
でも明るい家にしようとか、風通しの良い家にしようとか、家族が快適に暮らせる
間取りにしようとか、多方面から設計を検討します。その時に「等級ありき」で
設計をしてほしいと依頼を受ければ「そのように」設計するだけの話です。
みなさんが良く言う「吹き抜け」だとか「大開口の窓」だとかLDKで25帖以上
だとかいう要望や間取りが実現できなくなる場合が出てくるというだけの話です。
目障りな場所に壁が出てきたり、採用したかった間取りが作れないのは仕方が無い
ことなんです。そうすれば別に余分な金を掛けて耐震等級3だとかっていう、
「余分な金」なんて掛かりません。そもそもコスパの高い設計こそ耐震性能を
向上させることが出来ます。コスパの悪い、だだっ広い部屋、馬鹿でかい窓、
うすら寒い吹き抜けなど「見栄」に近い、ゴージャスな要素を排除して、間取りを
作れば簡単に耐震等級3になります。
でも言っておきますが、数字合わせの耐震等級3では未曾有の地震に耐えられるか、
どうかは保証できませんよ。
設計屋は自分の感と知識で架構を組む能力の有る人も居れば、法律が指針を示し、
保険が指針を示し、金融が指針を示せば、もうそれに素直に従って設計をする
だけって人もいます。むしろ圧倒的に後者でばかりです。
いわゆる耐震等級1は基準法クリアレベルです。ではなんのための建築基準法
なんでしょうかね。僕たちは疑問に思うというより、どうやって仕事をすれば
良いんだろうってくらい困惑しました。
丈夫な家にしてもらえば良いだけですよ。丈夫な家にする方法は資格を持っている
建築士なら全員知っていますから。
URBAN GEAR / アーバンギア 本多