ケンタさん、初めまして。横浜市青葉区でe2(イー・スクエア)設計という一級建築士事務所を主宰しております馬場英治と申します。すいません、若干遅れてのご回答です。
1. 総予算が1億円と言うことですが、初期諸費用:設計監理料+公租公課(消費税、不動産取得税など)+確認申請費用+その他の費用で約20%を要しますので、純建設工事費用としては約8千300万円と言うことになります。一方、建設可能な延べ床面積(工事対象床面積)は、住宅の共用部分(廊下、階段、エレベータなど)が建築基準法上の容積対象外となるので、有効率(住宅専用部分を全体面積で除した割合)を80%と想定すると、27坪×360%÷0.8(有効率)=121.5坪となります。したがって、建設工事費坪単価は、8千300万円÷121.5坪≒68万3千円/坪となり、かなり窮屈な坪単価となります。敷地が狭いので、ひょっとしたら前面道路も狭いとか、隣家が迫っているといった条件が重なると、さらに建設単価は高くなりますので、注意が必要です。
2. 上述したように、住宅の共用部分は容積率に算入されませんので、1階:53㎡+2~7階延べ面積53㎡(容積対象延面積≒42.4㎡)×6FL≒307.4㎡≦321.1㎡(=89.2㎡×360%)
∴ 建設可能ということになります。ただし、別途高さ制限、日影規制などがある場合はさらに計画の深度を深めて、どの程度の階数が建設可能かを検討する必要があります。
3. 車庫については同じく容積対象外ですので、上記の計算に関係なく、建設は可能ですが、建設費用は当然ながら必要です。
4. 建蔽率については防火地域内の耐火建築物とすれば、10%の上乗せができ、70%となります。これは現場調査並びに法規制要件の検討による判断できます。
5. 投資物件のご検討と言うことですので、単に建設費用のみの検討では答えは見いだせないので、20年程度の事業収支計画と実質利回りを検討する必要があります。この結果を見て、投資するに値する物件か否かを決定します。この事業収支計画と実質利回りを検討するには、①法規制条件を調査し、簡単な企画案を作成する ②建築コストの概々算を算出する ③周辺の家賃相場を検索する ④公租公課・設計監理料その他の初期経費を精査する ⑤ランニングコスト(年間諸経費)を想定する ⑥借入金利を想定する これらの条件を基に、専用の事業収支予測プログラムを回して見る必要があります。e2(イー・スクエア)設計では独自にこのプログラムを組んでおり、お客様に事業収支計画の参考資料を提供しております。
※ 事業収支計画や税金の詳細については、会計士法や税理士法などの法制度上、建築設計事務所ではできないことになっており、あくまでも「参考資料」と言うことになりますので、これについては、会計士事務所、税理士事務所とコラボレーションして計画の深度を深めていきます。
このように、投資物件では初期費用がどの程度発生するかという事柄の他にも、1億円の投資をした場合、年間の単純利回りはどの程度か、20年間の実質利回りはどの程度かなど、様々な角度から分析・検討をしていく必要があります。
少々長くなりましたが、ご理解いただけたでしょうか?さらに深度を深めた検討が必要であればご一報ください。
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よろしくお願いいたします。