さて提案されている図面が無いので、どうにもなりませんが。
「回遊導線」という一般の方が聞きなれない言葉が出ましたので、
他の方の参考になるように少しだけ、お話させていただきます。
「回遊導線」とは早く言ってしまえば「クルクル回れる」導線です。
導線とは特定の居室から居室までの移動する廊下や階段を言いますが、
この「一方通行」でしか移動出来ない導線に対して、右から入って
左から出ても、また右に戻れるようなルートが出来ているのを
回遊導線と呼ぶようになりました。僕は使ったことありません(笑)
メリットとしては、居室というよりは「目的」と「目的」を結ぶ
移動距離を短く出来ることです。これに尽きます。
建具で仕切られていても回遊できれば良いのです。例えば、6帖の部屋に
「2箇所」出入り口を設けて廊下を介して、目的を果たして反対の入り口から
戻ってこれるようなレイアウトプランです。
正直、度が過ぎた「便利」はデメリットの方が多くなると僕は考えています。
建具だらけの狭い部屋。想像してみてください。非常に居心地が悪いです。
また最近では、なんでもかんでも大型のクローゼットに、突っ込みたがる
計画を希望される方が多いのですが、直ぐに取り出せる「品の良い箪笥」くらい
部屋の隅に置いてある方が、部屋らしく見えると思いませんか?
キッチンの脇からWICに入って、その反対から脱衣場に行って、洗濯物を
機械で乾かして(乾いてないです)どうやって畳むのか理解に苦しみますが、
それをWICにしまって、キッチンに戻ってくる。工場で働いているなら、
分かりますが、4人家族で、そこまで洗濯と料理に時間短縮を求めますかね...
まず回遊導線のデメリットと言えば「面積が大きくなる」です。これは
基本的には避けられません。昔の「お金持ち」の家です。
先ほども申し上げましたが、狭くて小さな空間で回遊する導線を執拗に
作ると非常に暮らしにくいです。素人は平面図だけで検討するので、
そこで嵌ってしまいます。
それから忘れてはならないのは「空調」です。各ゾーンが基本的には
繋がっているので、安普請の断熱計画や「空調設備」の非導入などでは、
寒くて暑い家になります。ちゃんと計画が出来ていれば風通しが良くて、
明るい家になりますが。
計画としては難しい部類に入ります。
出来れば設計事務所に設計を依頼した方が良いです。設計事務所でも
能力が低い設計者だと、満足な間取りにならない場合があります。
頑張ってください。
URBAN GEAR / アーバンギア 本多