はじめまして、アーキネットデザインLLC代表の市川均と申します。建物の向きや陽当たりについてのお問い合わせは多いので、少し整理してアドバイスします。
1、陽当たりと明るさを一緒と捉えている方が多いですが、全く違います。明るさは必ずしも直射日光を必要としません。言い換えると直射日光がなくても天空(空)はとても明るいと言う事で、夏場直射日光を庇で遮っても充分明るいのと同じです。では、陽当たりの効能は何でしょうか。それは、冬場の暖を取れる事です。私は北側に大きな窓をとる事も多いです。直射日光で暑くなる心配が無いからです。
2、夏の日射遮蔽は工夫が必要です。よく、夏場は太陽高度が高いので短い庇でも遮れると思われる方が多いですが、間違えが2点あります。1つは、夏の暑い時期は7月末から8月上旬ですが、夏至(太陽高度がもっとも高い)は6月21日であり、8月の太陽高度は意外と低い。加えて、夏は日が長く10時や12時の太陽高度はさらに低く室内に進入する。これを、ガラスの日射遮蔽に頼りすぎると、冬場の暖が取れなくなる。
3、建物を向きは、生活の向きである事を意識する。つまり、皆が南に向いて大きく開放するとその反動で北側に水廻りなどプライバシーを守るべき部屋を設け窓を小さくする。しかし、北側の家からは常に自分の家の北側を見られている事になるし、北側の家は南側の家の北側(水回り等の小さな窓)を見て暮らす事になります。これって、あまり気持ち良くないですね。
4、そこで、南に限る事なく、視界(眺望)の良さ、空間の拡がり、風通しの良さ、それに加え価格を考慮して、土地と建物の向きを選ぶ事をお勧めします。向きによって土地は割安だったりするので。アメリカ郊外では方角に関係なく、道路側をフロントヤード、裏側をバックヤードと言い、ファミリールームは裏に設けるのが一般的です。
最初のご質問に戻ると、1、明るさと方角は関係ない。2、日射(陽当たり)のコントロールに南向きに限定したものではない。と言う事です。
結果として弊社では、敢えて東に向けた実例が多いです。興味がありましたらお問い合わせください。土地探しからご協力する事も多いです。長文で失礼しました。
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