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築35年の布基礎平屋、防湿と耐震耐風リノベについて

築35年、10.5坪、ほぼ正方形に近い小さな木造平屋、瓦屋根、布基礎、建築当時は図面はありません。
海から700mの立地で、吹きっさらしの元田んぼに一部盛土をし、家の3分の2が擁壁の上に立つ建つポツンと一軒家です。周辺一帯砂地ですが、液状化ハザードマップでは、液状化しにくい土地とはなっています。能登同様、海底隆起によって形成された陸地に、強い西風で砂が堆積している立地です。
風速20m超えの強風がよく吹き、基準設計風圧は38mの地域です。

ここを瓦屋根はそのままに、パッシブデザインを取り入れ、予算が許す範囲で、耐震、耐風も考慮した高気密高断熱住宅にするべく、屋根以外をスケルトンにしたリノベーションを行います(瓦屋根は当方購入前の台風被害で修繕されています)。いろんなチャレンジや実験ができる小さな家ということで購入しました。性能を重視しつつ環境負荷も低い素材を可能な限り使い、あと100年持つ家を目標にプランニング中です。南海トラフを超える1000年に一度規模の地震でも、ぎりぎり津波のハザードマップ外です。(流されたらしょうがない)

おおむねプランはできたのですが、布基礎の部分に耐震性能アップと湿気対策で何か手をいれるべきか迷っています。

まず、床下は先日(冬)もぐってみると写真の通り、想像以上にカラカラで、土台が痛んでいる感じもありませんでした(風呂場のみ漏水で柱が1本腐っていたので取り換え予定です)。風が強い地域のため、天然換気扇となってくれているのかもしれません。尚、夏の床下の状況はわかりません。ちなみに、夏はリノベ前なのでエアコンなしの状態で過ごした結果、家中の洋服や革製品がカビました。ただ壁や畳、床はカビているところを見つけられていません。
この状態で、防湿シートを敷くべきか迷っています。

また、防湿シートを敷いた場合は、防湿シートを抑えるため、その上にはワイヤーメッシュを敷き、布基礎にアンカー止めしてコンクリを流すと聞いています。ワイヤーメッシュ程度では、耐震補強にはならないと理解していますが(べた基礎になるわけではないという理解です)、それでもなにがしかの耐震性能アップにはつながるのでしょうか。地盤によっては、布基礎の方が耐震強度があるとも聞きます。
もしほんのわずかでも耐震性能アップにつながるのであれば、家の基礎に「面」の部分を作ってもらうことも意味があるのではと思っていますが、防湿シートがいらないという判断で、なおかつ、ワイヤーメッシュでは耐震とは何ら関係ないというのであれば、床下は今のまま、手をつけずにおこうと思います。

ついては、我が家に防湿シートは必要か。また、ワイヤーメッシュは、わずかでも「耐震補強」につながるのか、そして、我が家の場合は、床下の耐震補強が必要か、という点にアドバイスをいただきたくお願い申し上げます。

ちなみに耐震、耐風はバランスが必要だとも聞いておりますため、参考までに建物部分の強化プランを以下に記します。

耐力壁は面材(モイス)を施工。壁配置のバランスは考慮。断熱材は「蓄熱」にも期待して天井(300mm)、壁(105mm)、床(105mm)ともにセルロスファイバーの吹込みが最有力。とはいえ、耐震には家は軽い方がいいと聞き、一方、耐風には家が重い方がいいと聞き、セルロースファイバーの重さがプラスとでるのかマイナスなのか、風の振動で沈下する可能性もあるのではなど、考える要素が多く悩み中。日常的な強風に耐えるため(セルロースファイバーの沈下予防にも?)+大地震を超えて住み続けるため、オイル式制震ダンパーを四隅に入れる予定。

ちなみに依頼先の工務店さんからは、床下が乾いていたので防湿シートはいらないかもしれず、ワイヤーメッシュに耐震補強を期待するくらいなら、瓦を下した方が効果はあるのかもしれないと言われています。ただ屋根の葺き替えとなるとまた数百万円の出費となり、強風と塩害対策には瓦は大切にできたらとも思っています。

正解はない問いかもしれませんが、限られた予算で、環境負荷も抑えながら100年持つ家にするにはどうしたらいいか、専門家の皆様のご意見をうかがえたらありがたく、どうぞよろしくお願いいたします。
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専門家の回答

3件

星マーク
相談者が役に立った
2024年 4月 4日
ポツンと一軒家、いい雰囲気ですね。
セルロースファイバーの重さは、気にする必要がないと思います。
ワイヤーメッシュ入りの防湿コンクリートでは、耐震にならないでしょう。
既存基礎に、鉄筋をアンカー固定すれば別ですが。
お風呂のお話が気になりますね。
折角床板をはがして施工するようですから、防湿シートを敷いていいと思いますよ。
重ね部分を砂利か砂で押さえるだけでも、大きな効果が得られます。
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ユーザーの返答

2024年04月06日

とみのプロフィール写真

いい雰囲気だと言っていただきありがとうございます。かわいらしい見た目に惚れてしまいましたが、家を長持ちさせるためには、防風林などがきっと必要な地域なのだと思っています。

さて、アドバイスをいただきありがとうございます。
やはり、ワイヤーメッシュ入りの防湿コンクリートは、耐震とは関係ないのですね。となると、あとは湿気対策が必要かどうか。風が強いせいか、床下の土もからからなので迷うところですが…、コンクリを打たなくてもいけるなら、安価に敷けそうですね。大工さんとも相談してみたいと思います。お知恵をいただき、ありがとうございました。

星マーク
相談者が役に立った
2024年 4月 5日
初めまして、アーキネットデザインLLC代表の市川均と申します。私は埼玉県川越市で川越蔵の会の理事を務め、江戸から明治にかけての古い建物の保存再生に長年取り組んできました。その立場からアドバイスさせていただきます。木造にとって100年持つ家は普通です。東京月島の震災後に建てた簡易な長屋も今では築90年を超え今でも使われています。ちなみに基礎は当時一般的であった大谷石です。それに比べて、鉄筋コンクリートは寿命がおよそ70年から80年です。これはコンクリートの中性化が主な原因です。ですので、この家の寿命を決めるのは木造建物本体ではなく、擁壁と基礎となります。ですので、擁壁と基礎の築年数を考慮してリフォームされるのが良いと思います。または、擁壁と基礎の造り替えを含めた長期計画を立ててから建物本体の修繕と改善の計画を立てるのが良いということです。
アーキネットデザイン合同会社代表
早稲田大学建築学科非常勤講師 市川均
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ユーザーの返答

2024年04月06日

とみのプロフィール写真

古い建物の保存再生に長年取り組んできたお立場からのアドバイス、大変ありがたく拝読しました。うすうす感じていたコンクリートの寿命。やはりそこがすべてのネックとなりますよね、当たり前です。ご指摘いただき、100年持つ家と気構えずに、あと50年住めたらいいなと気持ちを切り替えることができました。擁壁に関しては、今師事している生物多様性の先生から石垣にかえる提案をいただいたことがありましたが、建物に擁壁が近すぎること、そして擁壁施工時の図面も残っていないことから断念しました。今回は再建築不可物件を手に入れ、リフォームで大切に住み繋ぐこと検討しましたが、今の現状でできる範囲の中で、長持ちする家にしていきたいと思います。そして、100年を超える住宅のためには、基礎が大切であることをこの実体験から、これから新築する方には伝えていきたいと思います。ありがとうございました。

星マーク
相談者が役に立った
2024年 4月11日
耐震はワイヤーメッシュ効きません。ベタ基礎は建物荷重を均等に分けて受けるためのものですから根本的に目的が違います。
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ユーザーの返答

2024年04月14日

とみのプロフィール写真

佐山様、ワイヤーメッシュは耐震とはやはり関係ないのですね。明確なお答え、ありがとうございます。ついては、床下リノベについては耐震に期待せず、純粋に防湿シートが必要か否かで、考えたいと思います。また、地震対策としては、制震ダンパーを検討します。おかげさまで、考える方向性がはっきり見えました。お礼申し上げます。

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