土地が防火、準防火地域に指定されていない場合。
もっとも安く出来そうな構造を木造と設定。
土地の形状にもよりますが、ビルトインガレージの計画が可能な
地形(つまり間口が確保できるかです)である場合、駐車1台の間口
2.5m+玄関1m+隣地との間隔1mで、最低でも5m近くは必要です。
15坪の土地なら奥行きが10m弱程度。
10坪なら7m弱。
最高の高さを9m程度に抑えることが出来たとして、前面道路の幅員は
住居系地域の場合なら7.2m以上必要です。多少のセットバックの
緩和や天空率の適用も考えられますが、隣地と50センチ程度しか
離れていなければ、いずれも効果がないことが考えられます。
建蔽率が60パーセント、容積率が200パーセントの場合、
50㎡(15坪程度)の土地に建てられる家は90㎡です。
35㎡(10坪程度)の場合は63㎡です。
車庫の緩和を適用したくても90㎡の1/5は18㎡ですから、2.5m×5.5m
の駐車部分13.75㎡を全て除外できますが、63㎡の延べ面積では12.6㎡と
なり、車庫の全部を除外する事は出来ません。
もっとも、4階建にする事は不可能ですし、最大の建築面積からの
計画ですので、そういった検討も無意味に近いです。
どのような家、つまり居室の数ですが、それが明記されていないので、
全く見当も付きませんが、この外壁と床で囲われ、台所と洗面台、
浴室、トイレを付けた建物は私の経験から坪単価45万円程度で建築が
可能です。従って90㎡の建物であれば、1300万円程度、63㎡の建物であれば
900万円程度で出来ます。
これは工事を直接行うものが建築屋の場合の価格です。
つまり工事原価です。これに利益を乗せます。
経費が掛かります。
経費は実際には、二つに分かれますが、明確に分けて計算していたのでは、
仕事にならないので、普通は固定的に金額を設定しています。
共通費と呼んでいます。
これは多少の差が有れど、建物が200㎡(60坪)だろうが、20坪だろうが、
大して変わりなく掛かります。構造計算費用も最低でも20万円程度は掛かります。
常識的な数字であれば請負金額の20%から25%は載せていないと経営は
出来ないでしょうから、900万円の原価に20%を乗せて1200万円の家を
販売する事は可能だとなります。あくまで「可能」という仮定です。
木造3階建ての住宅を設計から施工をするのに4ヶ月で出来たとして、
180万円の利益を割れば、月に45万円です。
お分かりのように「全く個人経営の大工」か「薄利多売」の超ローコスト
住宅屋でもない限り、めぐり合えるとは思えません。
設計事務所であれば、100万円から150万円の設計・監理料を支払って、
「直営工事」という形で、ご自身で工事をやってくれる業者を探すと
いうのも方法のひとつです。
この場合、直接工事を請負ってもらうよりも確実にコストアップになります。
このように「原価」で話をしない人の話を鵜呑みにすることは大変に
危険ですよ。
アドバイスとしては、1500万円程度で家は買える時代になりました。
土地を広く買って、絶対に2階建で計画をしましょう。そうすれば、広さ以上に
快適でバリューフォーマネーな住宅が手に入ります。
URBAN GEAR / アーバンギア 本多 信章
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