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木鉄骨造の店舗付き住宅のリノベーション(コンバージョン)について

少し癖のある物件のリノベーション(コンバージョン)についてお尋ねします。

敷地は、道路と川(幅5mくらい?、道路より低地)に挟まれた少し傾斜のある約250坪の不整形地で、建物は築27年で約300平米(150m2×2)の木鉄骨造2階建の店舗兼居宅です。

元々はピロティ(1階は玄関と鉄骨の柱12本(=駐車場))で2階が木造の居宅でしたが、新築から4年後に1階に木造の飲食店店舗を増築(登記上は築23年の鉄骨造の区分所有建物)してあります。
内装は新築(増築)時のままですが、外装は一度やり直したと聞いています。
1階部分の床は鉄骨(鉄板)で、その下には人が立って十分歩けるくらいの傾斜地面むき出しの空間があります(画像参照。道路は天井とほぼ同じ高さ)。

質問1
この物件を鉄骨(と木造の柱や壁等?)を残して集合住宅(例えば2DK×6戸)等にリノベーションすることは現実的でしょうか。
それとも建替えた方が良いでしょうか。木造部分はともかく基礎や鉄骨部分はまだ使えそうで勿体ない気がします。解体費用も掛かりそうですし。
新築時の設計図面は前所有者から引き継いでおらず、まだ持っているかも分かりません。

質問2
リノベーションが可能(現実的)であるとしたら、費用は最低どの程度見て置けば良いでしょうか。
外装もやり直さなければいけないと思っています。
賃貸仕様の低グレード品で構わないので費用は極力抑えたいと思っています。

質問3
地下の空間を有効活用するアイデアはないでしょうか。
現状、建物裏側から地下に降りる鉄製の階段が設置されています。
道路の反対側(川側)からのアクセスになるため車両の出入りはできません。


全くの素人のため得ない質問かもしれませんがよろしくお願い致します。
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専門家の回答

4件

2020年 6月11日
はじめまして。
大阪市を拠点としますメラーキテクチャ アーキテクツ 建築研究所の吉松と申します。
以下、回答します。

質問1
→考える必要があることが2点あります。
・用途が変わるので、それに合わせた構造体へ補強する必要がある可能性あり
・これまでの図面や確認申請書類がないことが予想されているため、やり変えまでの法的手続きフローが複雑なこと
そのため、結果から申しますと、行政側との協議によって、構造体だけはそのままに遣り替える(法的には増築になります)ことができる可能性はありますが、できない場合もある程度しか現時点ではいえません。設計図がない場合の法的な手続きとしては、既存の建物が当時の法的基準を満たしているのか調査がまず必要になり、それが法的に認められると増築の計画ができるように判断される場合が一般的です。ただ、調査費用や図面復元を考えると建て直す方が安価かもしれません。
まずは、現存する資料を設計者へ提供いただくなど、全ての状況を確認してからどのように進める方が良いのか考える姿勢が必要です。

質問2
基本的に鉄骨造の場合は、構造体を残してもその他を遣り替えるだけで、結構な金額がかかります。
構造体だけを残し、その他を全て遣り替える場合、ご要望のわからない現時点では坪65〜80万円程度、プラスして補強費が必要な場合がありますが、これは計画によるのでなんとも言えません。(鉄骨造の補強を計画しないまま金額を言う会社はない思います。金額差が大きすぎるので、、、)

質問3
敷地に対する詳細があまりイメージできていないのですが、文面を読むだけでは地下を有効に活用する方法はいくらでもありそうです。
ただ、リノベーションの計画と合うかどうかは微妙だと思います。

もう少し状況や資料を提供頂けますと、的確なアドバイスができるかと思います。
リノベーションは新築より大変ですし、どこかのタイミングで新築の方が金額が安くなります。
当方、大手設計事務所での実務経験もありますので、今回の内容のように鉄骨造の全体リノベーションも知見や経験もあります。
もし宜しければ、一度ご相談頂けたらと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
MERAKITECTURE ARCHITECTS STUDIO
メラーキテクチャ アーキテクツ 建築研究所
http://www.merakitecture.jp
https://www.instagram.com/merakitecture_architects/?hl=ja
矢印
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2020年 6月11日
この建物を所有されているのでしょうか?それとも、これから取得されるのでしょうか?ちゃんと、検査済証を取っているのでしょうか?それがないと、全面改修は難しいと思います。何れにしても、この鉄骨の基礎廻りを写真で見る限り、法的に問題がありそうです。ですので、用途変更申請は難しいような気がします。
矢印
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矢印
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2020年 6月11日
完了検査済み書なければアウトです。ありますか?構造計算書ありますか?増築完了検査済み書有りますか?親耐震構造ですか?相談するには資料不足すぎます。
矢印
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2020年 6月11日
ミツバコウサクショ一級建築士事務所の野上と申します。

大阪で検査済証の無い倉庫をホステルへ用途変更、リノベーションした経験からご質問に回答いたします。 https://mitsubakousaku-architect.tumblr.com/

質問1 ⇒検査済証がない限り、現実的ではないと思います。
情報が少ないため一般論にはなってしまいますし、非常にややこしいのですが、、
簡単に言うと、おそらく検査済証はない物件のためリノベーションする前に法律的、構造的な調査に多額の費用と時間がかかること、写真を見る限り鉄骨の足元のつくりが弱いため補強が必要になり、その補強にも多額の費用がかかると推測するからです。安易に手を出すと危ないと思います。


検査済証がない場合の流れを書いたものです。興味があればお読みください。
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1.大前提として建築基準法といった法律を守らなくてはいけません。
2.この建物が、建てた時の法律にのっとってできているのか確認する必要があります。
このフェーズが一番のネックになります。
それを確認する書類が検査済証という工事が完了した際に検査を受けて発行される書類です。
昔から、完了検査を受けなければいけなかったのですが、平成に入っても検査を受けていない物件がたくさんありました。確認申請と違う工事をしてそのままという建物が多くありました。建築業界、行政も含めた非常に大きな問題です。最近は検査済証の無い物件も法律的、構造的な問題がないことを確かめられれば、用途を変えて使い続けるための道筋も整備されてきました。しかしながら、その建物がちゃんとしているかどうかについては建築士といった専門家の調査が必要になります。特に、鉄骨造(RC造も)の場合は構造の調査に非常にコストがかかります。

私が経験したプロジェクトでは建坪50坪程度のもので調査に百万円単位のコストがかかりました。補強が必要な場合(図面上は問題なくても施工不良があるといった場合も含む)にはそれ以上のコストがかかります。

また、時間も数か月かかったり、こうした案件に慣れていなかったり、対応を避けたい行政もあり容易ではありません。建てた人たちに「なんでちゃんとしておいてくれなかったのか」と文句を言いたくなりますが。。

この調査によって、適法(今の法律に合致)、既存不適格(当時の法律には合致しているが、今の法律には合致していないところがある場合)、違反建築(当時の法律にも合致していない)の判断がつきます。古い建物で適法ということはないでしょうから、既存不適格か違反建築のどちらかになるでしょう。いずれにしても、今の法律に合致するよう是正が必要になるでしょう。是正が不可能であれば先には進めません。。つまり、調査した結果使い物にならないことが分かったという結果もあり得るということです。

ちなみに、確認済証は工事前に発行されるものなので、その建物が本当に法律にのっとって出来ているかどうかを判断できる書類ではありません。
また、構造でいえば木造の方が調査、補強が容易かつ安くできます。

3.用途変更の確認申請という手続きが必要になると思います。
これまで住宅だったものをアパートといった共同住宅(法律上は特殊建築物)へ変える場合に必要な手続きです。ただ、ここでは1階が鉄骨造、上階が木造という構造から構造的な安全性をどう確保するかが難しい課題になると思います。手続き上構造に関する資料の提出は不要でも安全性の確認は必須です。アパートにすれば一般住宅より重くなるでしょうからそうした構造への配慮も必要です。

質問2 ⇒仮にリノベーションが可能だった場合でも、それまでにかかる調査費用、補強費用や期間等がやってみないとわからないため予算が組みにくいのがこうした案件の難しいところです。

質問3
⇒法律を遵守するということからいえば、ちょっとしたものを置く程度ではないでしょうか。床や壁をつくったりすると、増築になったり、延べ面積に入れないといけなくなりますので。


もちろん、条件によってはリスクを知って、しっかりと段取りを踏んでいけば用途変更の確認申請をしてのリノベーションは可能かもしれません。しかしながら、そのプロセスはなかなか容易ではないことを知っていただければと思います。
もし、どうしても使用したい場合は、住宅の範囲内(用途変更の確認申請が不要な範囲)で運用する方が現実的かと思います。

検査済証の無い物件の用途変更を伴うリノベーションも対応できますので、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
矢印
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