おぎの設計室の荻野と申します。
名古屋(濃尾平野)を拠点として活動しており、当地では支持層が深くてもPHC節杭などの摩擦杭を採用する例が多く、30m超の鋼管杭を使用した設計監理の実績はありません。このため、最終的な判断に際しては、関東圏で同様の条件下における経験をお持ちの設計者・施工者のご意見を確認されるのが確実かと存じます。
参考までに、当方が携わった事例では、鉄骨造3階建・建築面積70坪の建物において、支持層6mに対して拡翼付き鋼管杭(認定工法)6m×24本(総延長144m)を設計監理し、残土処分込みで約420万円(税別・諸経費別、3年前)でした。昨今の建設コスト上昇を考慮すると、現在では500万円程度になると見込まれます。
今回ご計画の規模(建築面積25坪・杭15本・長さ35mを想定)ですと、総延長は約525mに達し、単純な比較でも施工規模は約3.6倍となります。杭径や地盤条件による変動はありますが、総額として1,000万円を超える可能性が高いと考えられます。
前面道路幅が6mあれば搬入は可能と見込まれますが、周辺道路の状況によっては搬入する杭長や重機の制限が生じ、工期やコストに影響する恐れもあります。
以上を踏まえ、同様の施工実績を有する設計事務所や工務店への具体的なご相談を強くお勧めいたします。