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家づくり相談

今どきの断熱材の性能は?

我が家の生活スタイルの場合、どのような冷暖房設備にすると経済的にもよいのか、ご教授ください。

共働き世帯のため、子供だけの時間帯は、トイレの小窓でさえも、閉めて施錠させております。
よって、平日はほぼ、窓を開けることがなく、常に冷暖房に頼った生活をしております。新居を構えるにあたっても、風通しの良い家になったところで、やはり窓を開ける生活は望めそうにありません。老後になって家に居る時間が増えても区画された住宅地ではなく、隣との間も数十センチのような地域ですし開け放つ生活にはならないと思います。ちなみに、今は冷房はクーラーでペットもいるため、朝から寝てる間も常につけっぱなしです。(その代わり家族全員で一室で寝るようにしています)
暖房は、ホットカーペット+ガスファンヒーターですが、常にヒーターの真正面を取り合いしております。冬期の就寝中は布団をたくさん掛けているので、暖房は使っておりません。
新しい家になり、それぞれが個室で寝るようになると、冷暖房費がどれくらいかかるか考えると、恐ろしく感じます。
現在の住居は築40年弱の木造住宅で、建売住宅ではなく、いわゆる安普請の家だと思うので、断熱材など入ってないに等しい住宅だと思います。
それに比べると、いわゆるC値がいくつとかいう、本格的な機密性の良い家でなくても、今どきの住宅はそこそこ涼しく、そして暖かくできあがるものなのでしょうか?
言いたいことがうまくまとめられなくて長々となり、失礼しました。

このアドバイスは、旧HOUSECOの家づくり相談のアーカイブを移行したものであり、現行SuMiKaが提供する機能と齟齬がある場合があります。

専門家の回答

7件

2010年 9月 2日
エヌエムエヌアールさん

初めまして。千葉市で設計事務所を主催する飯沼です。


ご相談の内容によりますと、全館冷暖房がいいと思います。
次世代省エネ基準以上であれば、おらく心配されるほどの光熱費が掛からないと思います。
ただし建設(イニシャル)コストは、一般的な省エネ仕様より1割以上要します。
しかしこの仕様により各室間の温度の差異が無くいわゆる温度のバリアフリーが望め、かなり快適に生活できると思います。
http://www.nedo.go.jp/shouenepoly/guidebook/topic0_2.html
なお省エネ住宅については様々な補助や税制の優遇等がありますから、それらの制度を上手く利用すれば増加した分のコストをある程度回収できる場合もあります。

当事務所の最近の実績として、40坪2階建て木造住宅で、1階、2階に4.5KW(木造12畳相当)におのおの一台+扇風機で、設定室温27℃でこの夏概ね過ごせています。
もちろん各室ができるだけオープンなプランで気流がある程度回る必要があります。
場所は関東地方という条件がありますが、冬もこのエアコン2台で寒くない生活ができます。エアコンの温風が嫌いな方がいてガスFF暖房機を併設する場合もあります。床下暖房を設置することもあります。
http://www.atelier24.jp/nt/pro_nt.html
http://www.atelier24.jp/myhouse/pro_mh.html

ただ、いかに都市部であっても自然通風による生活も考慮すべきだと思います。
防犯、プライバシーを検討した上で、通風を確保するプランニングは不可能では無いはずです。開口、通気口はハイサイドや屋根、地窓や床下からもとることができます。いかに室内に空気を流れさせるかです。
また遮熱効果や屋根や壁面緑化による省エネも検討されることをお勧めします。電気にしろガスにしろその供給が将来を見据えて常時絶対とは言えないと思います。
もちろんエアコン主体の生活か自然換気主体かはケースバイケースで、エヌエムエヌアールさんが諸条件から判断されることですが。

アトリエ24・飯沼
http://www.atelier24.jp



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ユーザーの返答

2010年09月03日

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飯沼様 お忙しい中、回答いただきありがとうございました。
温度のバリアフリー!まさしく、そういうのを求めている感じです。
そのためには、全館冷暖房がいいのですね。吹き抜けを作ったり、スタディコーナーなどを作っても、暑かったり寒かったりしたら、きっとせっかくの間取りも生かしきれないと思いますので、どのようなシステムにするのか、これから勉強していきたいと思います。
ありがとうございました。

2010年 9月 3日
アーキネットデザインの市川です。
 まだ、設計をしたのではないので一般論としてですが、私の事務所の基本仕様からお答えします。
 まず今どきのそこそこの高断熱高気密という言葉は当てになりません。住宅密集地の様ですので、夏は真上からの日射を防ぐ事が一番有効ですので屋根の断熱は、外断熱と内断熱の2重断熱とする。
 その上で冷房は、地中熱を使った冷房・換気システムが向いていると思います。
 また、暖房は、上記地中熱暖房か、深夜電力利用の蓄熱式床暖房が合っていると思います。いずれにしても基礎を蓄熱層とした輻射暖房がお勧めです。
 実際の設計においては、予算に応じてそれらのシステムを検討し、組み合わせていきます。もちろんランニングコストも含めて検討します。
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ユーザーの返答

2010年09月03日

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市川様、回答いただきましてありがとうございます。
屋根の断熱にも、注意が必要なのですね。地中熱を使った冷房・換気システムや、地中熱暖房、蓄熱式床暖房など、初めて耳にする言葉ばかりです。
知識をつけて、こちらからも、いろいろな可能性を提示できるよう、勉強していきたいと思います。貴重なご意見、ありがとうございました。

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[退会した専門家]
2010年 9月 3日
別に高断熱高気密でなくても今の家は程ほどにそうなります。
さて、
光熱費を抑え冷暖房ですが、自然エネルギーの利用が一番です。
太陽熱、放射冷却、地熱、風いろいろあります。
ふるに活用し、建築素材を利用すれば、光熱費は安くなります。
省エネルギー、光熱費削減に奮闘してみてください。
あと、締め切りの場合、相反しますが、自然換気は必要です。

ユーザーの返答

2010年09月03日

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鶴崎様、回答いただき、ありがとうございます。
建築素材を吟味すれば、光熱費を安くすることも、可能だというご意見、大変心強く思いました。建てるときにそれなりの投資をして、月々の光熱費を安く抑えるか、建てるときはほどほどにしておき、格個室で冷暖房をフルに使って向こう30年くらいを過ごした場合のコストと、どれくらいの差がでるものなのか等も、具体的に考えてみたいと思います。
ありがとうございました。

2010年 9月 3日
エヌエムエヌアールさん

マックスネット・コンサルタントの片瀬です。

冷暖房設備の経済性は、イニシャルをかければランニングが減りますし
イニシャルをかけなければ、ランニングが増えます。

適正システムを、何処に設定すべきなのか・・・?

まずは、出きる限り、エネルギーロスのない設計を行い、厳密な施工を
しましょう。断熱・気密性は、設計では簡単に設定できますが、それに
見合う技術と施工管理ができる工務店や建設会社を見つける又は紹介
して頂くことが重要です。

その上で、換気によるエネルギーロスを極力抑えるシステムを選択する
ことが必要です。その意味では、全熱交換機は必須ですね。

上記のエネルギーロスの少ない家は、コストをかけるのではなく、手間
や厳密な設計監理を行えばできるはずです。

そして、ライフサイクルコストを重視した冷暖房システムを選択しましょう。

それは、建設時期により色々左右しますので、注意してください。
技術は日々新しくなりますし、コストや補助金も変化します。
何が一番ローコストなのかは、その時の判断になりますね。

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ユーザーの返答

2010年09月03日

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片瀬様、回答いただきありがとうございました。
補助金があるなどということも初めて知ったので、大変勉強になりました。
断熱・気密性の施工は簡単ではないということも、参考になりました。やはり、気密性を追求するのであれば実績のあるところにお願いするのがよさそうですね。
もっともっと、勉強していきたいと思います。
ありがとうございました。

2010年 9月 6日
エヌエムエヌアールさま、はじめまして。
主に北海道で活動している工藤と申します。

常に家に人がいる場合、光熱費は大変気になりますね。
気候の厳しい北海道でも同じことで、これまでいろいろ研究努力がなされてきました。
昔は家に唯一つのストーブの周りに家族全員が集まって小さくなって生活していました。窓や屋根・壁の断熱や結露の問題をクリアしつつ、各部屋に放熱器を設け一カ所のボイラで全室の暖房をまかなうスタイルの現在の標準的な仕様の住宅では、光熱費は以前とそれほど変わりなく過ごせます。

また最近はさらに効率が高くなり、以前の1/2〜1/3程度の光熱費に収まってきています。
窓は三重窓(ガラスはlow-eコーティング)で木製サッシュ、屋根と壁は通気層を設けた高気密高断熱(いろいろとグレードがあります)、基礎断熱などです。又、光熱費が極めて低い地中熱利用ヒートポンプ方式の冷暖房システム(杭中の管に液体を通して熱交換するのがお勧め)を採用します。これらは助成金が活用できるものがあります。

せっかくオリジナルの家づくりをするのですから、それぞれのお宅のライフスタイルをしっかり反映させたものとしたいものですよね。
間取りやデザインと同列に、空気調和や断熱仕様にもライフスタイルを反映させるべきだと私は思います。
常に家に人がいるライフスタイルの場合、しっかり断熱することで一日の温度変化を少なくし、少ない冷暖房費で小さい冷暖房機を回すのがよろしいかと思います。家中どこでも均一でかびなども防ぐ事ができます。

私は数年東京で生活したことがありますが、ぺらぺらな建物で相当大変な思いをしました。冬は東京の住宅の方がとても寒いのです。がんがん暖房するので電気代がとんでもなく高くなり涙目になりました。北海道の住宅の仕様でこちらでも建てたならば、冬暖かいのは当然ながら夏も大変涼しいと思うのです。

参考になる部分がございましたでしょうか。
家づくりを楽しんでくださいね。
矢印
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2010年 9月11日
エムエムエヌアールさん、初めまして岡﨑善久建築設計事務所の岡﨑善久です。
生活スタイルについて
□夏の生活を考えると
(1)風通しの良い家は窓等を開けます。ただし、防犯が悪いです。防犯と風通しとの関係は矛盾することになります。注記:技術的に防犯の対応が可能です。格子等
□冬の生活を考えると
(1)窓を閉めて生活する。熱効率を考えて窓を閉めることは防犯に良いことであります。ただし、換気が悪いです。冬はたくさんの衣類を着込んだ炬燵や床暖・ホットカーペット(家族の団欒)考えた暖房設備がいいのではないでしょうか。注記:24時間換気と断熱材の効果は矛盾しております。
□エムエムエヌアールさんの住まいの設計について
家族の子供のことを考えるとキーワードが防犯ですね。すなわち、夏に対する「住まい方の設計」がエムエムエヌアールさんの家族と議論しなければならない大切であり重要なことであります。
特に今年は暑いです。日本の夏は鎌倉時代から家の考え方に苦労していたみたいです。徒然草の中で吉田兼好は「夏をもって旨し」と書いております。日本家屋はヒンヤリ涼しかった経験と記憶があると思います。すなわち、風通しのよい家を目指すべきではないでしょうか。窓(地窓等)をどのように開けるかを考え、できるだけ風通しよく風が通る家は断熱性能が一番いい家と私は思います。クーラーは予備的に用いて生活するのも何か新しい住まい方のような気がしないでしょうか。
□結論として
(1)日本の季節を楽しみながら心地よい豊かな住まいの実現をめざしして、そこに子供のことを考えた住まい方を考えた設計をすべきであると思います。
(2)このようなことから中庭を囲みながら生活することが防犯にもよく風通しがよく季節の変化(植栽等)に対応しながら心地よい豊かな住まいになるのではないでしょうか。
(3)断熱材については様々な仕様がたくさんありコストにも影響します。「参考として」大切なのは屋根です。仕上げ材や下地材ではないでしょうか。屋根下地材で神戸不燃の木繊セメント板等があります。庇や緑で覆うことも大切な要素の一つです。
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ユーザーの返答

2010年09月14日

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回答いただきまして、ありがとうございます。
屋根の仕上げや下地にも注意が必要とのこと。もっと勉強して、実現できそうなときは、こちらからもいろいろと提案できるように備えたいと思います。ありがとうございました。

2010年 9月13日
いまどき、高断熱高気密などと言いますが、私の経験からすると、高気密はそれほど追及しなくとも普通の仕様で大丈夫。断熱については、やった分だけの効果は確実にあります。

仰られている内容から察するところ、断熱だけ通常より少し仕様をあげればいいのでは、と思います。具体的には、壁;通常通り、屋根:通常の1.5倍程度、ガラス;断熱ペアガラス。これくらいで、現状に比べて見違えるほどの快適性が得られます。お布団も1枚で大丈夫じゃないかな。

また、断熱工法の前に、窓の面積を増やしすぎないように注意してください。ガラスの面積が多いと、断熱性能の低下と同時に、工事コストも上がります。
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ユーザーの返答

2010年09月14日

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回答いただき、ありがとうございます。
通常より仕様をあげればよいとのご意見、とても嬉しく思いました。
家作りが現実になるときには、予算と相談して居心地のよい空間を作っていきたいと思います。

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