3階建木造狭小アパートの建築について

ＥｖｅｒＧｒｅｅｎ様　　鎌倉市で設計活動しております板垣と申します。防火地域で3Fであれば、まず耐火建築物にしなければいけないので、通常はRCか鉄骨のアパートが多いのですが、最近は木造の耐火建築物も増えてきました。おっしゃる通り、予算が限られている場合は木造という選択肢は入り口として正しいと思われます。しかし、木造の耐火というのはとてもコストがかかります。通常の木造2Fとは材料も手間も全然違い、施工会社も経験がないとうまくいかないでしょう。結果、木造でもコストは鉄骨RC造に近い金額となります。木造2F建てであれば坪単価55万〜65万とかグレードを上げても75万とかの試算で良いと思いますが、木造3F耐火ですと自分の場合90万は見ておきます。そうなると、鉄骨やRCの坪単価100万程度と変わらないじゃないかとなりますよね。まさしくその通りで、その辺りは常に悩みながら進めることになります。（RCで100万で収まらない場合もありますが）、16m2×12室=192m　共用廊下や階段などもありますから、施工床で260m2程度だとすると、だいたい80坪はあるわけです。木造3F建てで、80坪×90万=7,200万円はかかると思われます。　見積もりを取って、それより安ければ頑張っていると考えるべきでしょう。まずは、そもそも16m2で良いのかなど、設計士とよく話し合って方針を決めて行った方が宜しいかと思います。RCで格好良くして家賃設定を上げるということで成立するかもしれませんし。　　大変だと思いますが、良い建物になるように頑張ってください。　　　板垣より

EverGreenさん

はじめまして、渋谷で設計事務所を運営しております日比生寛史建築計画研究所の日比生と申します。
賃貸集合住宅や敷地条件の厳しい個性的な住宅など数多く手掛けております。

「渡辺篤史の建もの探訪」や「完成！ドリームハウス」には度々出演しており、余談ですが、二年前に終了しましたフジテレビの月9ドラマ「恋仲」の模型や図面の資料提供、建築関連のアドバイザーも努めておりました。

頂いた情報だけで回答させて頂きますと、防火地域で木造3階建てとなると耐火建築物となりますので、想像されている木造のコストではとても難しく、ほぼ鉄骨造と同様なコストは確実にかかりコストを抑えるということは厳しいです。
木造ならではの内部に木を見せたりすることも防火上不可能になります。
工事単価の目安は鉄骨造で90~100万円、RC造で120万円程度だとお考え下さい。RC造は工夫次第ではもう少し頑張れるかもしれません。
賃貸は収益性も考えると性能やデザインも含めて、他とは競合しない付加価値やインパクトのあるデザイン性の差別化が非常に重要です。
耐久性、耐震性の高いRC造がお薦めですが、規模を縮小するなどコストとのバランスを取る必要がありますね。

2015年は手掛けたサービス付高齢者賃貸住宅がグッドデザイン賞にも選ばれました。フレキシブルな新しい個性的なデザインはお任せ下さい。
作品事例をご覧頂けると分かりますが、様々な創意工夫のデザインに特化した建築が得意ですので、もし手掛けた建築の事例に興味をもって頂きましたら、是非ともご連絡下さい。
長年に渡り愛され続ける建築を創り出したいと思っておりますので、是非、微力ながら長いお付き合いと夢のお手伝いが出来ることを願っております。

日比生 寛史／日比生寛史建築計画研究所
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